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京都府城陽市のキャラクター「じょうりんちゃん」がじわじわと人気を上げている。市特産のイチジクをモチーフにした不思議な姿だが、10年にわたる地道な活動が功を奏し、子どもたちが「みんな知ってる」キャラに成長した。
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城陽市の富野幼稚園を、じょうりんちゃんが訪れた。「城陽市のキャラクターを知ってますか?」。司会の市職員が遊戯室で問うと、園児31人が「知ってるー」と一斉に声を上げた。やがて、園児の呼び声に応えて、じょうりんちゃんが登場。「おやつは食べるの?」「トイレには行くの?」と質問攻めに遭いながら、無口なため、羽をぱたぱたさせたり、うなずいたりして答えていた。
じょうりんちゃんは2013年、城陽市の魅力を内外に伝えようと、市が姿と名前を市民から公募して生み出した。14年4月から「『福』市長」の肩書で出初式など市内の各イベントや、彦根市で開催されている「ご当地キャラ博」に登場している。
体はイチジク、頭は梅の花と、全身が市の特産でできており、手の代わりに、「羽ばたく城陽」をイメージさせる羽が生えている。市によると、年齢は永遠の「7歳」で「おばあちゃんっ子の元気な女の子」だ。
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市民意識調査によると、じょうりんちゃんを「知っている」と答えた市民は、活動2年目の2015年度は48%と半数以下だった。しかし、市内外のイベントにまめに顔を出し、市内の幼稚園・保育園を毎年訪問。新型コロナウイルス禍の時もSNSで発信を怠らなかった。23年度調査では66%と知名度はじわじわと上昇している。
「活動10年の手応えは?」。記者がじょうりんちゃんに質問すると、羽をぱたぱた。隣の職員が「『たくさんのお友達に会えてうれしい』と言っています」と通訳してくれた。
デザインした「生みの親」の主婦堀江直美さん=城陽市=は「城陽を盛り上げてくれている姿を見て、あのとき応募して良かった。これからも活躍してね」とエールを送っている。
(まいどなニュース/京都新聞)
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