画像提供:マイナビニュースキユーピーサラダファーストプロジェクトが、今後の野菜価格動向の見通し、節約視点で野菜を選ぶポイントなどを紹介している。解説は大田市場の老舗仲卸業の本多諭氏。
○野菜の価格高騰を乗り切るコツ
3月も冷凍食品や菓子など加工食品を中心に値上げとなり、家計にとっては苦しい状況、それに加えて家計を圧迫しているのは野菜の価格高騰。雨不足で生育に影響がでたキャベツの価格は3倍超え、その他の野菜も例年と比較すると、全体的に2倍以上の高値が続いている。最強寒波による生育不良で引き続き野菜の価格高騰が見込まれている。
今後の見通しとしては、高騰したキャベツは引き続き寒波の影響を受けそうだという。現在大根、きのこ、小松菜などは比較的値ごろ感があるとのこと。この先お手ごろ価格となりそうなのは、ブロッコリーや新じゃがいもだとか。
旬野菜=安価のイメージではなくなってきており、気候の影響で不作になると高騰することも多いので一概に旬野菜が安いとは言えない時代となっている。旬だけにとらわれず通年で比較的安定して流通する野菜を使うことも大切だと本多氏は言う。
○根もの野菜がねらい目
気候の影響をうけにくい根もの野菜(レンコン・じゃがいも・さつまいも・にんじんなど)は価格が安定しているため、ねらい目だとか。保存もきくので、安いときにまとめ買いすることもできる。
○カット野菜・工場野菜・冷凍野菜を使う
野菜をあれこれ購入すると高額になってしまうが、必要な量が入っているカット野菜や冷凍野菜を活用できる。きのこやもやし、フリルレタスなど工場野菜も大きな価格変動がないので家計の強い味方に。
○大型野菜を活用
昨年の平均価格の何倍にもなっている野菜。大型野菜も全体的に価格高騰しているとはいえ、キロあたりの単価を考えるとお買い得であるといえる。比較的価格が落ち着いている大根や春白菜などの大型野菜を活用することで、家計の負担を抑えやすいという。
使い切れない分は冷凍保存するのも1つの方法だという。購入時は生で食感や旬を楽しむサラダ、冷凍したものはスープ煮物に活用できる。冷凍することで、味染みがよくなり時短にもつながる。
○1.ブロッコリー
春に向けて比較的価格が安定しており、食卓で活用できる推し節約野菜を紹介する。その1つが「ブロッコリー」。ブロッコリーは3月にかけて価格が安定してくるおすすめの野菜だとか。もともと野生のキャベツを品種改良して生まれたのがブロッコリー。茎もやわらかく栄養もたっぷりなので、残さず使い切ることができる。
ゆでるときは切り分けて茎から先に鍋に入れるのがコツ。加熱しすぎると食感も味も悪くなるので、色よく火が通る程度で引き上げたらザルに広げて冷まし、水気をしっかりきることが推奨される。
ブロッコリーを選ぶ際は、全体の緑色が濃く、蕾が密集していて硬く引き締まっているもの、劣化を防ぐため茎がしっかり残っているものがおすすめだとか。切り口がみずみずしく、黒ずみがないものや、茎に空洞がないものも新鮮な証拠とされ、大ぶりなものほど熟度が高く、やわらかく甘みも強くなるとのこと。
「ブロッコリーは2026年度から指定野菜に仲間入りすることが決まっています。食べ応えのある野菜なのでかさましにも使えますし、茎の部分まで残さず使い切ることで節約にもなります。炒め物やスープなど使い勝手のよい野菜ですが、旬の今の時期は柔らかく甘みがありますので、茹でたブロッコリーをシンプルに味わうことをおすすめします」(本多氏)
○2.新じゃがいも
新じゃがいもは、普通のじゃがいもと小ぶりで水分量が多いのが特徴だという。普通のじゃがいもは皮が硬く、でんぷんを多く含むため、ホクホクとした食感が特徴とされている。一方、新じゃがいもはみずみずしく、香りが良いとされている。
新じゃがいもを選ぶ際には、表面の皮が薄く、指ではがれそうなくらいのものが良いとされる。また、小ぶりで大きすぎないものが適しており、しなびた感じの柔らかいものは避けるのがよいという。
○3.小松菜
小松菜の旬は9月〜12月とされているが、実は年間を通して収穫でき、安定して流通しているため、価格面でも栄養面でも優秀な野菜。寒波の影響で多くの葉物野菜がダメージを受け、価格が高騰している中、小松菜は比較的安定しているという。
小松菜を選ぶ際には、葉の緑色が濃く鮮やかで葉そのものが肉厚でみずみずしくピンと張っているもの、茎が太くしっかりしているものが良いとされている。葉脈が発達しすぎていると歯ざわりが悪くなるため、できるだけやわらかいものが良く、さらに、根がしっかりと長いものは生育が良い証拠だという。
「おすすめはサラダとして食べること。シュウ酸が少ないためえぐみが少なく、生のまま食べることでビタミン類などの栄養素を丸ごと摂取できます。火を使わずに調理できるため、時短にもなり、忙しいときにも便利です。小松菜のシャキシャキした食感を楽しんでみてください」(本多氏)
○4.大根
大根は一年を通して流通しているが、旬は10-3月頃といわれている。主な産地は千葉県や北海道、青森県などで、根の上部が緑色の「青首だいこん」が市場流通の9割以上を占めている。地域特産の品種も多数あり、用途によって使い分けるのもおすすめだという。
おいしい大根の見分けは、まず、全体に張りとツヤがあり、まっすぐ伸びて、太いものを選ぶこと。持ったときにずっしりと重いのはみずみずしく水分が豊富な証拠だという。さらに、ひげ根の毛穴が浅く少なく、表面がなめらかなものが良いとされる。葉付きは葉まで食べられるので、葉から先まで鮮やかな緑でピンと張ったものを選ぶことができる。カットされている場合は、断面のきめが細かく、スが入っていないか確認を、とのこと。
「なんといっても大根の魅力は、寒さにあたって甘みを増している今の季節、美味しさもお墨付きです。1本丸ごと購入して使いまわしましょう。上部の根元部分は甘みが強いので、サラダやマリネに。真ん中は柔らかさが魅力、煮物におすすめです。先端は辛味を感じやすい部分なので辛味をいかして大根おろしや汁物にするものいいですよ」(本多氏)
○5.春白菜
冬野菜の代表格の白菜だが、実は3月から春白菜が出回るので狙い目だとか。白菜は大型野菜なので節約視点でも取り入れたい食材。他の葉物野菜と比較しても1キロあたりの単価が抑えめで、白菜自体にボリュームがあるので家計のお助け野菜として活躍できる。鍋のイメージが強い白菜だが、サラダにしても食感がよいのでいつもと違った味わいが楽しめる。
白菜を選ぶ際は、葉先までかたく巻きがしっかりしていて、上部を押すと弾力があるもの、底面の切り口は白く新鮮なものが良いとされている。カットして売られている場合は、断面の芯の高さが1/3以下で、葉がすき間なくギッシリと詰まっているものが良いとのこと。
「白菜は、大型で使いまわしがきくので他の野菜と比較してもおすすめの野菜です。一株丸ごと購入することでカットされたものよりもかなり安く購入できます。購入時は生のまま楽しむのもおすすめ。サラダやマリネで食べるとビタミンがそのまま摂取できますのでおすすめです。使いきれない分は冷凍して、鍋物や炒め物で活用するとロスも防げます。鍋物だけではない白菜の魅力、様々な食べ方で楽しみましょう」(本多氏)
○節約野菜を使った時短レシピ
また、料理家・西岡麻央氏が、節約野菜を使った時短レシピを紹介している。
○ブロッコリーのステーキサラダ(調理時間15分)
使用する材料(2人分)は、ブロッコリー1株(約225g)、オリーブオイル大さじ1。ドレッシングには、あらびきマスタード大さじ1、はちみつ大さじ1、しょうゆ小さじ1、オリーブオイル大さじ1/2、黒こしょう少々。
まず、ボウルにあらびきマスタード、はちみつ、しょうゆ、黒こしょうを入れ混ぜて、ドレッシングをつくる。次に、大きめのボウルに水を入れ、ブロッコリーの茎を持って逆さにし、30秒ほどふり洗いをする。水を変え、同じ作業をもう一度繰り返す。その後、茎の皮を包丁で切り落とす。
ブロッコリーをさっと流水で洗い、水を切らずにそのままラップで包む。600Wの電子レンジで約2分加熱し、粗熱をとる。フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、ブロッコリーの切り口を下にして入れ、中火でふたをして約3分焼く。焼き目がついたら裏返し、再びふたをして約2分焼く。焼き上がったブロッコリーを温かいうちにお皿に盛りつけ、ドレッシングを全体にかける。
○小松菜と厚揚げのパワーサラダ(調理時間10分)
使用する材料(2人分)は、小松菜2株(約68g)、ひじき2g、厚揚げ1/2枚(100g)、にんじん30g、キユーピー深煎りごまドレッシング大さじ2。
まず、小松菜を食べやすい長さに切る。次に、ひじきを水でもどし、さっとゆでる。にんじんの皮をむき、せん切りにする。厚揚げは1.5cmの角切りにし、油をひかずに熱したフライパンでこんがりと焼く。ボウルに切った小松菜とゆでたひじきを入れ、ドレッシングを加えて和えたら完成。
○新じゃがいもと新玉ねぎのごま風味炒め(調理時間15分)
材料(2人分)は、新玉ねぎ1個(190g)、新じゃがいも3個(120g)、ウインナー4本(80g)、パセリ適量、サラダ油適量、キユーピー深煎りごまドレッシング大さじ2。
新じゃがいもはよく洗い、皮つきのまま4等分に切る。ぬらしたクッキングペーパーで包み、耐熱容器にのせてラップをかけ、電子レンジ600Wで約2分30秒加熱する。新玉ねぎは1.5cm幅のくし形切りに、ウインナーは斜め半分に切る。フライパンにサラダ油を入れて熱し、加熱した新じゃがいもを炒める。火が通ったらウインナー、新玉ねぎの順に加えてさらに炒める。火を止めてからドレッシングを加えて和える。最後に器に盛りつけ、みじん切りにしたパセリを散らしたらできあがり。
○コロコロ大根のドライカレー(調理時間15分)
材料(2人分)は、ご飯2杯(茶碗)(300g)、大根1/4本(200g)、にんじん1/4本(45g)、合いびき肉150g、中濃ソース大さじ1と1/2、カレー粉小さじ1/2、深煎りごまドレッシング大さじ2。
大根は皮をむいて2cmの角切り、にんじんは皮をむいて1cmの角切りにする。ぬらしたクッキングペーパーで包んで耐熱容器にのせ、ふんわりとラップをかけ、電子レンジ600Wで約4分加熱する。フライパンにドレッシングを入れて熱し、合いびき肉を加えて弱めの中火で炒める。火が通ったら、中濃ソースとカレー粉を加え、加熱した大根とにんじんを入れてさらに炒める。器にご飯を盛り、炒めた具材をのせたら完成。
○春白菜と鶏ささみのパワーサラダ(調理時間15分)
材料(2人分)は、白菜3枚(260g)、鶏ささみ2本(76g)、酒少々、塩少々、こしょう少々、キユーピーレモンドレッシング。まず、白菜は長さ3等分にして縦細切りにする。次に、鶏ささみは筋を取り、器に並べて酒、塩、こしょうをふる。ラップをかけて電子レンジ600Wで約1分30秒加熱し、粗熱が取れたら細かくさく。耐熱容器に乾いたクッキングペーパーを敷き、白菜、鶏ささみの順に重ねる。さらに、ぬらして軽く絞ったクッキングペーパーを材料が隠れるようにかけ、電子レンジ600Wで約6分加熱する。最後にボウルに白菜と鶏ささみを入れ、レモンドレッシングで和えて味をなじませたらできあがり。(Yumi's life)