日本商工会議所が入るビル=東京都千代田区 日本商工会議所は5日、最低賃金引き上げに関する中小企業への影響についての調査結果を公表した。最低賃金を2020年代に全国平均で時給1500円に引き上げる新たな政府目標に基づき、25年度に7.3%の引き上げが実施された場合(複数回答)について、「収益悪化で休業・廃業等を検討する」と回答した企業の割合が15.9%を占めた。地方の小規模事業者(政令指定都市以外、従業員20人以下)に限ると、20.1%に上った。
日商の担当者は「目標達成に向け毎年7.3%も最低賃金を引き上げるのは困難だと判明した」と指摘。「引き上げは中小企業の支払い能力の実態を踏まえて決めるべきだ」と懸念を示した。
25年度に目標通りに実施された場合の影響で最多だったのは「人件費以外のコスト削減」で39.6%。次いで「残業時間・シフトの削減」が31.3%、「他の従業員の賃上げ抑制、一時金等の削減」が25.0%で続いた。
調査は全国の中小企業を対象に1月から2月にかけて実施し、3958社から回答を得た。