
結婚して10年になるAさんは、夫の信じられないマザコンぶりに頭を抱える毎日を送っていました。事あるごとに夫の口から飛び出す「母さんのほうが」という言葉が、Aさんの心をザワつかせます。
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例えば、夕食で腕によりをかけて作った自慢の料理に対しても、夫は一口食べるなり「母さんの作ってくれた料理の方が美味しかったな」と、まるで無邪気な子供のように言うのです。内心では「じゃあ、お母さんに作ってもらえば!」と叫びたい気持ちでいっぱいになりつつも、Aさんは笑顔で「そうなんだ」と返すのが精一杯です。
家事についても同様で、洗濯物の畳み方や掃除の仕方、アイロンのかけ方など、何をするにしても「母さんのほうが上手だった」という言葉がついて回ります。Aさんがどんなに頑張っても、夫の中では義母のレベルに達することができないのです。
夫は身の回りのことを自分ではできないため、脱ぎっぱなしの靴下や出しっぱなしの食器、読みかけで放置された新聞などを散らかし放題で、まるで何もできない子供のようです。Aさんが注意しても、夫は拗ねて口をきかなくなるだけで、改善は見込めません。
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このまま夫の態度が変わらないとしたら、一体いつまでこの生活を続けなければならないのでしょうか。もう別れるしか方法はないのでしょうか。夫婦関係修復カウンセリング専門行政書士の木下雅子さんに話を聞きました。
ー夫のマザコンは矯正可能なのでしょうか
Aさんの夫は悪気もなくアドバイスのつもりで口にしているのだと思われます。Aさんが仮に「やめてほしい」と伝えても、「良かれと思って言っているのに」と頑なになってしまうかもしれません。嫌がっていることを伝えても「お前のためを思って言っているんだ」と答えられ、なかなか態度を改めないと考えます。
とはいえAさんも姑と比較されるのは面白くないですよね。夫の態度が変わらない状況で婚姻関係を継続するのであれば、自身の解釈を変えるしかないでしょう。
ー我慢せずに快適に過ごすコツはありますか
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まずはAさんの夫は、Aさんがいなければ何もできないという事実に着目しましょう。脱ぎっぱなしの靴下や出しっぱなしの食器など、自分では家事もできないわけです。いくら姑と比較されたとしても「あなたよりはできるわよ」と心の中で呟いて、自分の心を守ります。勇気が湧いて来れば、実際に口にしてもいいでしょう。
そのうえで自身が快適に過ごせるように環境を工夫します。洗濯籠をリビングにもおいて靴下を入れさせるなどして、夫でもできることを増やしていくのです。精神的に夫よりも優位に立ち、環境の力を借りれば少しずつ夫の改善も見られるようになるかもしれません。
◆木下雅子(きのした・まさこ)行政書士、心理カウンセラー。大阪府高槻市を拠点に「夫婦関係修復カウンセリング」を主業務として活動。「法」と「心」の両面から、お客様を支えている。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
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