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フェンシングのワールドカップ(W杯)が8日(日本時間9日)にギリシャ・イラクリオンで行われ、女子サーブル個人の決勝で江村美咲(26=立飛ホールディングス)がヨアナ・イリエバ(ブルガリア)を破って優勝した。1月のグランプリ(GP)チュニス大会に続く、今季2個目の金メダルを獲得。世界ランキングも2位から1位に返り咲く見通しとなった。
準々決勝でスペイン選手に15−12、準決勝ではハンガリー選手に15−13で勝った江村は、決勝で世界ランク29位のイリエバの挑戦を受けた。「納得のいかない状態の中でも、迷うことなく割り切って勝ちにいけた部分は、過去の失敗が生かせたかな」と勝負に徹し、手堅い試合運びで15−11の快勝を収めた。
「今日の自分のフェンシングは美しくありませんでしたが、必ずしも、美しく完璧にすることだけが正解でもないのかな、という気付きもありました」
万全ではなくても、その時の最善を模索し、試合には勝ち切る。女王らしい領域に、あらためて足を踏み入れる優勝となった。
世界ランク1位のサラ・バルゼ(フランス)は出場していなかったため、ポイントを積み上げて世界ランク1位を確実にした。近日中に更新される。
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日本協会(FJE)を通じて出した江村のコメント全文は次の通り。
日本から応援してくださった皆さま、ありがとうございました。
また、コーチやトレーナーさん、関係者の皆さまにも心から感謝しています。
今日はこれまでの優勝と違って、一日中、模索しながら戦っていました。
練習の時から、なかなか自分の思い描くフェンシングができずにクオリティーとしては低い感覚がありました。試合当日までその感覚は変わらず、自分のプレーを貫いたというよりは、それぞれの相手に合わせた戦い方でリスクを取りながら勝負を仕掛けました。6試合戦って6通りの自分がいました。
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納得のいかない状態の中でも、迷うことなく割り切って勝ちにいけた部分は、過去の失敗が生かせたかなと思います。今日の自分のフェンシングは美しくありませんでしたが、必ずしも美しく完璧にすることだけが正解でもないのかな、という気付きもありました。完璧を求めつつも、それができない時は泥くさく、強い気持ちで戦っていきたいです。明日の団体戦も精いっぱい頑張ります。
2028年ロサンゼルス五輪(オリンピック)で金メダルを目指す江村。次戦は3月28日からのW杯カイロ大会に出場する予定だ。
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