



そんな会話をしてからどのくらい経ったでしょう。ジュンヤの仕事が決まる様子はありません。しかし大病を患った後なので、焦りは禁物。私はジュンヤの復職を信じ、支えて励ましながら日々頑張っていました。



なんだか嫌な予感がします。家のなかの様子をうかがうと、話し声が聞こえてきました。寝室からです。私は手にスマホを持ちます。何かあったら警察に通報しなければなりません。足音を忍ばせて歩き、寝室のドアを勢いよく開けると……。


その日は仕事の面接へ行くと言っていたジュンヤ。なのに家の前には、駅まで乗って行っているはずの自転車が……。違和感を抱きつつ家の鍵を開けると、玄関に女性もののパンプスがありました。そして寝室のドアを開けると、そこにはベッドの上で下着姿でじゃれ合うジュンヤと女性の姿。私はあまりの衝撃に言葉も出ません。
口では「そろそろ仕事しないと」と言いつつも、いっこうに就職先を決めてこなかったジュンヤ。私は内心ヤキモキしつつも、ジュンヤの意向を尊重して見守っていたのです。なのにこれは私に対する酷い裏切りではないでしょうか?
【第2話】へ続く。
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