ママスタ「わが子がスポーツ大会で大敗」「志望校に不合格」などといった子どもの挫折を、必要以上につらく感じてしまうママはいますか? ママは子どものがんばりを知っているだけに、子どもの成果に一喜一憂してしまう人も少なくないかもしれません。ママスタコミュニティにもあるママからこんな投稿が寄せられました。
『子どもの挫折が異常につらい。私は子どもの挫折が自分のこと以上にしんどくなってしまいます。子どもの方が辛いはずなのに自分勝手な話ですが、どうにもできず、態度に出さないようにするのが精一杯。小さな挫折でこんな感じだから、スポーツで全国に行く子や、受験でトップ校を目指す子や、音楽で大きなコンクールで上位の子とかのお母さんは本当にすごいと思う。自分が重圧に耐えられそうにないから、ごく普通の子の母でよかったとさえ思ってしまいます。どうしたらもっと落ち着いた母になれるんだろう』
こちらのママは子どもの挫折をわが事のように感じ、子ども以上に堪えてしまっているようですね。投稿者さんもできるだけ感情を抑えようと努めていますが、それでも落ち込んでしまい「子どもの挫折に落ち込んでしまう自分」に嫌気が差してしまっているようです。かわいいわが子のことだからこそ、こうした気持ちになるのも無理はないかもしれませんが、ママスタコミュニティのママたちはどうでしょうか。ママたちの声を紹介します。
共感!子どもと一心同体になってしまうママたちの声
『小さい頃からずっとそばで見てきたわが子だから、胸が痛むのはわかるよ』
『わかるよ。うちは高校生の娘だけど、何でも私に話してくるから、私までいろいろ考えることが多かった。挫折は特になかったけど、恋愛や部活の大会前の緊張感まで。私は心配になっても出さないようにしているけど、それが逆に重圧みたいになってしまって。娘を何も知らないでいるよりいいのかなと思いながら、このままでいいやと毎日過ごしている』
『子どもと一心同体なんだろうな。私もそういうタイプだからわかるよ』
投稿者さんの気持ちに共感する声が多く寄せられましたが、そのなかには「投稿者さんは子どもと一心同体になっている」といった指摘もありました。子どもと距離が近すぎると、親は必要以上に子どもの挫折をつらく感じてしまいますよね。子どもの悩みや不安を、まるでわが事のように感じ取ってしまうのは、それだけ子どもを愛している証拠ともいえます。しかし子ども以上に親が落ち込んでしまうのは、子どもを親の価値観で縛ってしまっている可能性も否めません。すると子どもは、挫折したことよりも、親を悲しませてしまっている事実に向き合うことになり、自己嫌悪に陥ってしまう可能性も……。子どもが挫折に向き合う機会を奪わないように、親も注意が必要かもしれませんね。
子どもは親と別人格。子どもを信じる勇気を
『それは、子どもの幸せ=自分だからでは?』
『中学・高校くらいになったら、意識的に客観視して離れた方がいいよ。小さい頃なら一心同体もわかるけど』
『わかるけれど、子どもを別の人として捉えないとだめだよね』
『私が幼稚園の先生に言われたのは「お子さんが悲しくて泣いていても、お母さんは同じ舞台に立って一緒に悲しまないでくださいね。友達にこんなことをされた! と言われても、その悲しみはお子さんの悲しみであってお母さんの悲しみではないのです。お子さんは思っている以上に強くなります」と』
ママの声にもあるように、親子であっても、それぞれが独立した存在であることを意識することが大切ですよね。投稿者さんの声に「自分が重圧に耐えられそうにないから、ごく普通の子の母でよかったとさえ思ってしまいます」とありますが、投稿者さんのお子さんは本当に普通の子なのでしょうか。「普通の子」はママの思い込みの可能性もあり、子どもを過小評価しているとも言えるのではないでしょうか。ママたちの声にもあるように、子どもは親が思っている以上に強いもの。かわいい子には旅をさせることも、ときには必要でしょう。投稿者さんは子どもに過剰に感情移入をせず、子どもの力を信じてあげる勇気が必要かもしれません。
子どもが挫折したときに親ができること
『どんな挫折かわからないけどさ。それによってこどもが泣いたり悔しがったりしたら「成長の糧。チャンス!」と思わなきゃ。話を聞いてあげて、笑って「努力や経験を得られてあなたはいい経験をした!」と褒めてあげるんだよ』
『挫折を知らないで大人になる方が怖い。どんどんチャレンジして挫折もして自分に合う道をみつけていってほしいと思っている』
こちらのママたちは、投稿者さんに温かいエールを送っていますね。子どもを前向きに見守り、挫折を笑い飛ばすくらいの楽観的な姿勢があるといいのではないでしょうか。子どもは親が見守ってくれている安心感から再度挑戦し、挫折を乗り越えられる可能性もあります。
子どもとの距離が近いママほど、「子どもは弱いもの」と過小評価してしまっている可能性もあります。投稿者さんはその自覚をした上で、子どもの力を信じて見守ってみてはいかがでしょうか。そしてママたちの声にもあるように、子どもが挫折を経験したときに「大丈夫! いい経験をしたよ」と前向きに励ましてあげることこそが、親の大切な役割の一つではないでしょうか。
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文・安藤永遠 編集・有村実歩 イラスト・Ponko
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