この笑顔を返して!「報道の自由」をふりかざし「私営の動物保護施設」を無断取材、おびえて血まみれの保護犬…身勝手なマスコミに批判殺到

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2025年03月13日 07:00  まいどなニュース

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突然のTV局の襲撃取材により、このニコニコ顔が失われてしまった……(画像提供:一般社団法人 ワニガメ生態研究所)

私財を投げ打ち、人間の身勝手で遺棄された不遇な動物たちを25年以上にわたり保護・終生飼養の活動をする特定外来生物飼養許可施設「一般社団法人 ワニガメ生態研究所」(@kanameogino)の所長、荻野(おぎの)要さん。

【閲覧注意】パニックで血塗れになってしまった保護犬の部屋

2月6日未明、暴風で施設の一部が吹き飛ばされる被害が発生。基礎固定用のアンカーや照明の配線がボックスごと引きちぎれるなど、大きな被害が出た。

幸いにも、自治体の許可を得て施設で保護している「ワニガメ」「カミツキガメ」などは飼育容器も含めて全て無傷。鉄筋コンクリート製の外壁等にも一切の損傷はなかったそうだ。

また、完全室内飼育の保護猫たちはもちろん、ドッグランが大好きな保護犬たちも屋内に退去しており、作業中だった所長も無事だった。

「報道の自由」をはき違えたテレビクルー

しかし、保護活動に偏見を持つ人物により「ワニが逃げた」等の嫌がらせのデマが流布。荻野所長はX(旧Twitter)にて、「デマ話を流すのはやめてください。脱走はありません!」と投稿した。

そんな状況を聞きつけたテレビ局のクルーが突然、無断で施設に来襲。

所長は、施設で保護している犬たちが、見知らぬ大勢の人物の訪問に対して警戒心と恐怖心からパニックとなり、怪我や事故を起こす可能性があるため、「遠慮してください」と、テレビクルーに嘆願。

だが、「報道の自由」を主張し、所長の願いを聞き入れなかったという。

◇ ◇

案の定、火がついたように吠え続ける保護犬たち。

なかでも、前の飼い主が自死し、かけつけた救急車や警察官に囲まれたトラウマを持つ紀州犬、お米丸くんは過去の恐怖がフラッシュバック。錯乱状態に陥り、歯を立て爪で掻き続けた犬舎の壁は血まみれになった。

その悲惨な状況をXに投稿していた荻野所長。

「TV局の方が突然来られました。いぬたちが吠えます。お米丸が錯乱し、症状が悪化するので遠慮して下さるようお願いしたのですが『報道の自由』と言われ、聞き入れてもらえませんでした。暴れた部屋の片付け、再び錯乱状態になり血まみれになった部屋の掃除…また振り出しに戻りました…報道……」

「報道の自由」をはきちがえたテレビ局の取材姿勢に批判の声が殺到した。

「報道のモラル」どこ行った?

「取材したいならアポを取るのが筋です!」
「もっと報道すべきことがたくさんあるでしょうに…」
「報道の自由とはそういうことではない」
「報道のモラル、どこいった?」
「その人たちが来なければやる必要のなかった作業まで増やして…」
「他にやることがないのですかね?ボランティアにでも行けよ」
「確かに何かしらの『権利』はあるかもしれませんけど、それによって起きてしまった『結果』についての『責任』は取って頂きたいものですね。大人として社会人として」

数分でわかることも調べない「自称マスコミ」

さらに、この投稿を見た数件のマスコミから取材の申し込みがあったという。

「『お米丸とは何ですか?ヘビが逃げたのですか?』との話で貴重な時間を奪われたくありません。少しでいいので過去の投稿を見てから連絡して下さい」と、Xに投稿していた荻野所長。

事前の連絡もせず突然押しかけ、断っても撮影を強行するという。

バズった投稿は話題になる!と飛びつき、指先ひとつで調べられる情報……お米丸くんの保護の経緯や、施設のある県の獣医師会から「優良飼育者」として表彰された荻野所長の長年の保護飼養活動などには一切関心がない、自称マスコミ。

これでは「マスゴミ」と揶揄されても仕方がない。

「事前の連絡も謝罪もありません」

荻野所長に話を聞いたところ、今回突然やって来たテレビ局のクルーとは面識がなく、「初見でした」とのこと。事前の連絡はおろか、所長が「犬が怪我をした」とXに投稿した後も、「謝罪はありません」という。

不遇な動物達を保護し、終生飼養する活動を行なっている「ワニガメ生態研究所」には、「ワニガメ」「ワニ」「カミツキガメ」など、一般では保護が難しい特定外来生物が保護飼養されている。

また、さまざまな事情から迎えられたピットブル、カネコルソ、ドゴ・アルヘンティーノ、土佐犬、ドーベルマンなどの特定犬種も保護されており、安全のため、扉は全て2重扉となっている。

厳重に安全管理がされていても、無断の訪問は、動物たちだけでなく人間側にも危険が及ぶ可能性がある。

「ちゃんとした取材なら今後も受け入れます」

それでも荻野所長は、行き場をなくした不遇な動物たちの保護受け入れのため、今後も連絡先を非公開にしないという。

「ちゃんとした番組なら受け入れます。しかし、今回のテレビ局への取材は望んでいません。あのようなやり方で来られては、こちらに24時間体制で守る術はありませんので、関わりたくありません。

また、今回SNS上に流れているニュースでも、私からまともな取材もせず、原稿の内容確認もさせず、勝手に画像を使っている会社があります。なので、内容もいたるところが大袈裟に変えられています。怖いですね」(荻野要さん)

動物園やふれあい広場ではありません

荻野所長が運営する「一般社団法人 ワニガメ生態研究所」には、病気や飼育放棄、虐待など、さまざまな事情を抱えた多くの動物たちが保護されている。

とくに紀州犬のお米丸くんは、元の飼い主が自死し、「縁起が悪い犬」と約半年間たらい回しにされ、殺処分直前で急遽保護された不遇なシニア犬。

「保護当時は人の手を極端におびえ、首輪の跡が赤くただれていました。それらがトラウマになっているようで…今はとにかく自由に、楽しいことを最優先に!」と、投稿していた荻野所長。

ピットブルのエースくんを筆頭とする犬仲間たちと過ごすうち、筋力がつき、所長のなでなででニコニコ顔になる甘えん坊になった矢先の出来事だった。

暴走バイクの騒音や緊急車両の音を聞くたび、フラッシュバックに襲われていたお米丸くんの自傷行為は、今回のTV局の奇襲により、さらに悪化。

現在は獣医師から処方された投薬で落ち着きを取り戻しつつあるという。

芸能人が出演する「動物保護」をテーマにしたテレビのバラエティ番組は人気だが、荻野所長が運営する「一般社団法人 ワニガメ生態研究所」は、あくまでも私設の特定外来生物飼養許可施設。一般公開(見学・訪問)や動物の展示や販売、一時預かりなどは一切行われていない。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ リュウ)

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