週明け24日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前営業日比5.20ポイント(0.15%)高の3370.03ポイントと4日ぶりに反発した。
「トランプ関税」の警戒感がやや薄れる流れ。トランプ米大統領は21日、「関税には柔軟性がある」との認識を示した。大統領は、中国の習近平・国家主席と関税について協議する計画だとも述べている。中国の政策に対する期待感も支え。李強・首相は23日、経済安定のため、「必要なら新たな政策を打ち出す」と発言した。ただ、上値は限定的。中国の若年失業率が悪化していることや、不動産市況の低迷などが引き続き重しとなっている。また、24日の外国為替市場で、対米ドルの人民元安が進んでいることも不安材料。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を3日連続で元安方向に設定した。指数は安く推移する場面もみられている。(亜州リサーチ編集部)
銀行・保険株が相場をけん引。交通銀行(601328/SH)が3.2%高、重慶銀行(601963/SH)が2.3%高、中国農業銀行(601288/SH)が1.0%高、新華人寿保険(601336/SH)が2.0%高、中国太平洋保険(601601/SH)が1.3%高で引けた。交通銀行は通期決算が小幅ながら増益を確保。買い安心感につながっている。
資源・素材株も高い。鉄鋼の新疆八一鋼鉄 (600581/SH) が7.5%、非鉄の洛陽モリブデン(603993/SH)が4.8%、産金の紫金鉱業集団(601899/SH)が2.7%、石炭の中国神華能源(601088/SH)が1.4%、石油の中国海洋石油(600938/SH)が1.2%ずつ上昇した。洛陽モリブデンと紫金鉱業は通期業績の増益を材料視。中国神華能源の決算は3.4%減益だったが、一部のアナリストは業績が底打ちしたと分析したことを好感している。公益株、運輸株、通信株、食品飲料・酒造株なども買われた。
半面、不動産株はさえない。華遠地産(600743/SH)が3.8%安、華麗家族(600503/SH)が3.7%安、光明地産(600708/SH)が3.6%安、金地集団(600383/SH)が3.0%安で取引を終えた。軍需産業株、医薬株、インフラ建設株、自動車株も売られている。
一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.28ポイント(0.47%)安の272.78ポイント、深センB株指数が4.72ポイント(0.38%)安の1226.16ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)