高松宮記念に出走予定のママコチャ(撮影:下野雄規) 本記事ではnetkeibaオリジナルAIが推奨する本命候補3頭を特筆すべき過去の傾向とともにご紹介します。
今週の重賞競走は土曜日に日経賞(GII)と毎日杯(GIII)、日曜日にマーチS(GIII)と高松宮記念(GI)が行われます。その中から中京競馬場で行われる高松宮記念を取り上げます。まずは過去の傾向から。
過去10年の高松宮記念での前走着順別成績を見ていきます。過去10年の高松宮記念は前走5着以内の馬が8勝2着9回3着7回と良績を残しています。ハイレベルなメンバーが集まるGIですので、前走で堅実に走り勢いを失っていないことが好走する条件のひとつと言えそうです。
一方、前走で6着以下だった馬は2勝2着1回3着3回で6頭が3着以内に好走。この6頭はいずれも中京芝1400m以下で勝ち鞍のあった馬でした。前走で6着以下と結果を残せていない馬でも、中京の芝短距離に高い適性を示す実績がある場合は一変する可能性があるので注意したいところです。
続いては、過去10年の高松宮記念における前走距離別成績です。過去10年の高松宮記念では前走で1200mに使われていた馬が9勝2着3回3着6回と好成績を残しています。過去10年の高松宮記念はすべて1200mで行われていますので、前走で同じ距離のレースを経験していることがプラスに働いていると言えるのではないでしょうか。
前走が1400m以上だった馬は1勝2着7回3着4回と12頭が3着以内に好走。この12頭の内、11頭が前走で5番人気以内の支持を集めていました。例外は18年のレッツゴードンキ。この馬は前走でフェブラリーS(GI)に10番人気で出走していましたが、レースでは強敵相手に5着と能力の高さを示していました。
上位人気に支持されるのはそれまでの実績や近況の優れた点がある証拠と言えますので、そのような馬は前走で1400m以上だったとしても注意が必要と言えそうです。
それでは早速ですが、今週の高松宮記念でAIから導き出された月曜日時点での本命候補3頭をご紹介します。
◆前走の内容が光る本命候補
ママコチャ
23年のスプリンターズS(GI)で優勝しているように実力はトップクラス。スプリンターズS後はなかなか勝ち切れない日々を過ごしていた本馬ですが、前走のオーシャンS(GIII)では道中3番手追走から直線で力強い伸び脚を見せて久々の勝利を手にしています。2着馬とは半馬身差と大きな差はつけていませんが、直線で完全に抜け出して勝ちパターンとなった相手をねじ伏せて勝っているだけに、着差は僅かでも内容は十分に評価できるものでした。
昨年の高松宮記念では8着に敗れていますが、レース当日は重馬場でしたし道悪が良くなかったのかもしれません。中京芝1200mではセントウルS(GII)で2着に走った実績がありますので、コース適性自体には問題はなさそうです。今週末の天候は気になるところですが、実力は十分ですので良馬場ならば昨年のようなことはないでしょうし、上位争いに絡む可能性は高そうです。
エイシンフェンサー
2走前のカーバンクルS(OP)では11番人気ながら優勝しオープン初勝利を挙げた本馬。その勢いで挑んだ前走のシルクロードS(GIII)は9番人気で出走。道中は中団追走から直線では馬場の真ん中から豪快に伸びて優勝。ここ2走は人気薄での勝利ですが、本格化を印象付けるような走りを見せていますしフロックではなさそうです。
過去10年の高松宮記念では前走シルクロードS組が5勝2着2回で単勝回収率258%、複勝回収率141%と優秀な成績を残しています。エイシンフェンサーは近2走が人気薄での好走であることやGI初出走ということで今回も人気はなさそうですが、近況の充実ぶりや高松宮記念と相性の良い前走シルクロードS組であることを考えると侮れない1頭と言えそうです。
サトノレーヴ
昨夏は函館スプリントS(GIII)で重賞初制覇を飾ると、次走のキーンランドC(GIII)も勝利し重賞連勝と大活躍。その後はスプリンターズSに出走し1番人気の支持を集めましたが7着。このレースはテンの3ハロンが32秒1のハイペース。中団を追走していましたが速いペースを追走したことで脚が溜まらなかったのが敗因ではないでしょうか。
巻き返しを期して挑んだ前走の香港スプリント(G1)では世界の強豪相手に3着と善戦。勝ち馬とは0秒1と差は僅かでしたし、負けはしたものの能力の高さは十分に示す一戦だったと言えそうです。今回は海外遠征からの帰国初戦になりますが、この中間はしっかりと乗り込まれていますし順調に調整が進んでいる様子。GIでも通用する能力はありますし、自身の力を出し切れればチャンスは十分にあるはずです。