広島での加入会見を行った前田 [写真]=湊昂大 サンフレッチェ広島は27日、浦和レッズから完全移籍で加入したFW前田直輝の入団会見を行った。
会見に同席した栗原圭介強化部長は、「攻撃を活性化できる選手ということでずっとリストアップをしていましたし、(ミヒャエル・スキッベ)監督の強い要望もあって、このタイミングでオファーさせていただきました」と移籍の経緯を明かし、前田について「スピード、ドリブル、左足のキックの精度が素晴らしく、何より1人で局面を打開できる選手」と説明して、さらに次のように続けた。
「ドリブルが得意な選手は足元で受けることが多いと思いますが、(前田は)ボールがない時に背後を取る動きもできるので、サンフレッチェ広島の攻撃を活性化してくれると確信しています。守備に関しても、前から献身的に連動、連続してプレスに行ってくれるので、攻守においてサンフレッチェ広島のサッカーに合いますし、前田選手の特徴も生きると思います」
シーズン開幕後の移籍となった前田は、「浦和レッズというクラブで、僕もクラブもリスペクトしている興梠慎三さんの30番をつけさせていただいたという責任感や覚悟があったので、すごく悩んだのが正直な感想です」と心境を明かしつつ、「外から見てスキッベ監督のサッカーはすごく魅力的だとずっと思っていました。僕自身もそこに入れば、何かプラスなエネルギーが出ると僕は感じていたので、それを体現したいですし、新しいチャレンジの気持ちでここに来ました」と移籍決断の理由を話した。
前田は加入が発表された同日にチームへ合流し、さっそく練習にも参加。「クオリティや持ち味のある選手たちが多くて、その中で自分の良さをアピールしないといけないと思ったと同時に、この人たちとうまくコンビネーションができたら、もっと楽しいサッカーになるんじゃないかなと思いました」と期待を口にし、今後の意気込みを続けた。
「サンフレッチェ広島の今のメンバーや監督で優勝を狙えると本気で思っています。だからこそこの決断をしたし、その中心になりたい気持ちも強いので、本当に強い覚悟を持っています。目標を高く持ちつつ、目の前のプレーを全力で戦うことをお約束したいです」
現在30歳の前田は東京ヴェルディの下部組織出身で2012年10月に17歳でトップチームデビューを飾った。その後は松本山雅FC、横浜F・マリノスを経て、2018年に移籍した名古屋グランパスでは、2021年にJリーグYBCルヴァンカップ制覇に貢献した。
2022年1月にエールディヴィジのユトレヒトにレンタル移籍したが、けがの影響もあって約1年半後に名古屋へ復帰。2024年1月に浦和へ移籍し、昨季は公式戦26試合出場2ゴール2アシストを記録した。今季は“レジェンド”興梠慎三氏から背番号「30」を受け継ぎ、リーグ戦3試合に出場していた。