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<フィギュアスケート:世界選手権>◇28日(日本時間29日)◇米ボストン◇女子フリー
【ボストン=松本航、藤塚大輔】3季ぶり出場の樋口新葉(24=ノエビア)が、フリー132・48点、合計204・58点の6位で大会を終えた。「もう、やりきりました。点数とかじゃなくて、見た目だったりとかっていうのでは、すごい頑張ったんじゃないかな」。満員の会場で、万感の演技を刻んだ。
冒頭のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)に始まり、ルッツ−トーループの連続3回転、3回転ループに着氷。しっとりとしたリズムから、テンポが上がる後半へと観客の手拍子に乗り、フィニッシュポーズで目を閉じたまま声を張り上げ、充実の表情でほほえんだ。「緊張で何も考えれてないっていうよりかは、いろいろ『いま自分はこういう気持ちだな』って思いながらジャンプ跳んだり、スピン回ったりしてたので。ある意味楽しめた感じがあります」と振り返った。
1つ前の滑走順で滑り切っていた盟友の坂本花織もリンクサイドで演技を見守り「涙が止まらない」と号泣した。樋口も「(坂本と)2人でいい演技ができて本当にうれしいです」と場内インタビューで涙し、「それぞれすごいきつかったこともあったので、すごい解放されました」と気持ちを分かち合った。
SPでは3つのジャンプを全て成功させ、スピン、ステップシークエンスでも最高難度のレベル4を獲得。首位を2・48点差の4位につけ、「完璧に近いショートが滑れた。この試合でそういう演技ができたのがうれしかったです」と語っていた。
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北京五輪の翌シーズンは10月以降の大会を欠場し、長期休養に充てた。スケートに対する自身の気持ちを向き合い、復帰を決めたのは昨季だった。23年末の全日本選手権は12位。その後の試合などで、結果を求める気持ち、その大事さに気づいた。今季はシーズン序盤から全日本選手権優勝を志し、3位で世界選手権切符をつかんでいた。
2度目の五輪がかかる来季へは「オリンピックが目標にというよりかは、毎回自分のベストを尽くせるようにっていうのが自分の目標。その先に何かあると思います」と見据えていた。
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