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ぬれた砂浜を歩くと、踏みしめたところが乾いて見える? ずっと不思議に思っていた現象を説明する科学実験動画が“分かりやすい”と大好評。この動画は記事執筆時点で131万回以上再生され、5万5000以上の高評価を得ています。
●ぬれた砂の上を歩くときに抱いていた疑問
この動画が投稿されたのはYouTubeチャンネル「The Action Lab」。好奇心の赴くまま、さまざまな科学実験を行う動画を発信しています。
今回は、「なぜぬれた砂を踏むと乾いて見えるのか」という疑問を解消します。例えば波打ち際などぬれた砂浜を歩くと、足で踏みしめた周辺が一瞬で乾いたように見えますよね。いったいどうしてなのでしょうか。
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この現象は、砂のような粉粒体(ふんりゅうたい)が力を受けると、粒子同士の並び方が変化して、わずかに隙間が生まれる性質によって起こるといいます。つまり、砂を踏むことで内部の構造が変わり、砂粒の間に空間(隙間)ができるため、砂の表面にあった水がその隙間に入り込みます。その結果、表面の水が見えなくなり、あたかも乾いたように見えるのです。
●ペットボトルと砂と水で実験
この解説を証明するため、砂と水でいっぱいにしたペットボトルを用意して実験開始。空気は入っておらず水が飽和した状態で密閉し、蓋に開けた穴にチューブを通して固定しました。チューブには、ペットボトル内の水が流れ込んできて口の辺りまでに達しているのが分かります。
このペットボトルを手や足で押すとどうなるか実験してみます。表面を押して力を加えると、なんとチューブの水は見る見る引いていき、ペットボトルの中に戻ってしまいました。体積が変わって砂の間にできた隙間のなかに入っていったのですね。
●ピンポン球でさらに分かりやすく
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信じ難い現象をさらに詳しく説明するために、砂の1粒1粒をピンポン球として考えてみます。砂粒の代わりに用意されたピンポン玉は縦横に16個並べて正方形のようにくっつけられたもの。同じものを3つ用意して重ねます。ただし真ん中のピンポン球だけ上下の隙間にはまるように、少しずらして重ねます。これがせん断されてない砂を表しています。
そして横から両手で挟むようにして力を加えると、ずれていた真ん中のピンポン玉の位置がかわり、隙間が大きくなりました。ここへ表面の水が落ちていくというわけですね。ダイラタンシーと呼ばれるこの現象、分かりやすく説明するためのアイデアが秀逸です。
●「驚くほど明快!」「とてもよくわかった」と称賛
この投稿には、「これはダイラタンシーに関する最高の説明の1つ」「驚くほど明快!」「なぜこんなことが起こるのかいつも不思議に思ってたけど、水が下がってるとは思いもしなかった」「ピンポン球でとてもよくわかった」と称賛の声が相次ぎました。
YouTubeチャンネル「The Action Lab」では他にも、「メントスをコーラに入れて真空容器に入れる」「どちらの方向でも留められるネジ」「真空容器に風船を入れたら?」といった興味深い科学実験動画を多数投稿しています。
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画像引用:YouTubeチャンネル「The Action Lab」
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