「第三者委員会の調査報告書において、当時の私の対応に厳しい指摘を受けました。その指摘を真摯に受け止め、私としてはこれ以上、関西テレビの社長の職を続けるのは不適切と考え、本日付で辞任したという次第です」
4月4日、臨時取締役会後の会見でこう明かしたのは、関西テレビ代表取締役社長の大多亮氏(66)だ。フジテレビ時代は『東京ラブストーリー』『101回目のプロポーズ』といった名作を数々手掛け、「トレンディドラマ」を代表するプロデューサーとして名を馳せた。その後は、専務取締役などを歴任し、’24年6月に関西テレビの社長に就任していた。
大多氏といえば、90年代に女優の鈴木保奈美(58)との不倫疑惑を写真週刊誌に報じられ、’96年に刊行した自著のなかでも、そのことを匂わせるような記述をしていたことでも知られている。
大多氏が言及したのは、元タレント・中居正広氏(52)の女性トラブルに端を発する問題で、今年1月にフジテレビが設置した第三者委員会が3月31日に公表した調査報告書だ。
’23年6月に同局の元女性アナウンサーが中居氏から性暴力を受けたことが認定されたほか、大多氏を含む経営陣に起因するガバナンス機能不全も指摘されていた。
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報告書では、港浩一前社長(72)、当時専務の大多氏、執行役員のG氏らが、女性が性被害を受けたと訴えていること、深刻な症状で入院したことを知りつつ、人権侵害の問題が発生した可能性を認識せず、中居氏の性加害事案を「プライベートな男女間のトラブル」と即断していたと指摘。
被害女性の命を最優先にするとの方針を決めつつ、中居氏の番組を継続させたことなど、大多氏ら経営陣の対応について、《性暴力への理解を欠き、被害者救済の視点が乏しかった》《経営リスクの高い案件についての重要な意思決定が、編成ラインの 3 名のみ、編成の視点のみ、被害者と同じ女性が関与しない同質性の高い壮年男性のみで行われたことに驚きを禁じ得ない》と糾弾している。
大多氏は今回の会見で、「何よりも謝りたいのは女性Aさんに対してです。Aさんの心情に寄り添うことができず、彼女を苦しめてしまった。本当にお詫びしたい」と謝罪。そして、こうも語った。
「報告書の中でやはり不快な思いをしたと書いてあったが、そうだとすれば全く私の認識が甘かった。時代からずれてたという思いです」
というのも、第三者委員会の調査は中居氏の性暴力事案だけでなく、フジテレビ内のハラスメント問題にも及んでおり、そこでも大多氏の名前が挙がっていたのだ。
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たとえば、調査報告書170ページでは、《大多氏においては、特定の男性有力番組出演者との食事会の席に女性アナウンサーを同席させる会合を定期的に繰り返していた》と指摘。大多氏に不適切な会合との認識はなかったというが、167ページでは男性有力番組出演者から《「女子アナの皆様との会、よろしくお願いします!」》との依頼をLINEで受け、大多氏がそれに応じた会合をセッティングしていたという記述もあり、第三者委員会はこう結論付けている。
《両者の LINE のやり取り内容に加え、男性アナウンサーは参加不可であったこと、食事会の席では下ネタ等の性的な話題も多く話されていたこと、アナウンサーとしては当該男性タレントとの業務上のつながりは薄いことなどの実態からすれば、主として当該有力番組出演者の歓心を得る目的をもって、性別・年齢・容姿などに着目して女性アナウンサーを同行させていたと認められる》
また、171ページでも、大多氏が男性番組出演者との会合で《下ネタで盛り上がっていた》との報告が。大多氏はヒアリングに対し《参加した女性アナウンサーらが嫌がっていることは無かった》との旨を述べるも、社内外の実態調査では《不快な思いをしていた旨述べる者》がいたと明らかになったとしたうえで、以下のように評価した。
《客観的にはセクハラが成立し得る状況であり、女性アナウンサーらとしては、その場で苦情を申し立てるわけにもいかず調子を合わせて我慢していただけの可能性もある》
なお、中居氏から被害を受けた女性は3月31日、代理人弁護士を通じてこんなコメントを寄せている。
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《私が受けた被害は一生消えることはなく失ったものが戻ってくることはありません。このようなことがメディア・エンターテインメント業界だけでなく、社会全体から無くなることを心から望みます》
数々の名作トレンディドラマを送り出してきた大多氏だが、“時代の流れ”を読み間違えたようだ。
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