請戸川沿いの桜並木。15年ぶりに「さくら祭り」が開催された=4日午後、福島県浪江町 東京電力福島第1原発事故を受けて中止となっていた福島県浪江町の名物行事「さくら祭り」が4日、15年ぶりに開催され、花見客らが咲き始めの桜を楽しんだ。夜には、ライトアップされた桜と共に花火が夜空を彩った。
町内の高校に通っていたという同県南相馬市の会社員鈴木ひとみさん(44)は、「祭りは初めてだけど、懐かしい景色が残っていてうれしい。来年以降も開催してほしい」と話した。
町内を流れる請戸川沿いには樹齢70年ほどのソメイヨシノ約120本が並ぶ。原発事故が起きた2011年以降は開催中止となっていたが、町民らの有志が避難先から枝の剪定(せんてい)に通うなど、桜の保全に尽力。避難指示が解除され、復興が進む中で、地域再生や町外への情報発信につなげようと再開にこぎ着けた。
最近では、避難指示解除後に移住してきた人たちも桜の手入れや祭りの実行委員会に多数加わっているという。
さくら祭り発起人の小黒敬三さん(69)は、「まずは一歩踏み出せた。(事故前からの住民と移住者らで)一から新しい形のコミュニティーをつくることができれば」と期待を込めた。

「さくら祭り」が15年ぶりに開催され、打ち上げられた花火=4日午後、福島県浪江町

請戸川沿いの桜を見詰める小黒敬三さん=4日午後、福島県浪江町