牛丼チェーンの吉野家は4月から、給与デジタル払いサービスの「PayPay給与受取」を導入しました。
給与デジタル払いサービスとは、スマホ決済などのデジタルマネーで給料を受け取ること。現金、銀行口座振込に次ぐ第3の給料の支払い方法です。
吉野家には、給料を希望する日に受け取れる制度もあるので、PayPay給与受取を利用すれば、最短で勤務の翌日に給料をPayPay残高として受け取れ、そのままスマホ決済で使えます。約2万人のアルバイトが対象です。
給与デジタル払いサービスの提供には、決済事業者が申請し、厚生労働大臣による指定が必要です。PayPayは2024年8月に指定事業者第1号となって、グループ企業のソフトバンクグループ10社やサカイ引越センター、ニチガスなどに給与デジタル払いサービスを提供してきました。
■慣れると便利ですが、使いすぎには注意しましょう
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そのほか、2024年12月にリクルートMUFGビジネスや、2025年3月には楽天Edy、2025年にはauペイメントが指定を受けています。
労働者としては、吉野家のようにデジタル払いを導入した企業でも、いままでどおりの口座振込も選択できます。また、給与デジタル払いに変更した後、元の口座振込に戻すのもOK。
さらに、デジタルマネーで一定額を受け取り、残りは口座振込と、分けて受け取ることも可能です。「夫の小遣いだけ、デジタル払いで」などの使い方ができそうです。
注意したいのは、給与デジタル払いの決済口座には受け入れの上限額があることです。PayPayは20万円、リクルートMUFGビジネスは30万円、楽天Edyとauペイメントは10万円と設定された上限額を超えた場合は、あらかじめ指定した銀行口座などに入金されます。給与のデジタル払いは貯蓄が目的ではなく、短期的に使うお金用と認識しましょう。
また、デジタルマネーで受け取った給料も、本人名義の銀行口座に送金するなどして現金化できます。国の規定により毎月1回の手数料は無料ですが、2回目以降は決済事業者によります。ご確認を。
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いっぽう導入する企業としては、事前に労使協定を結ぶ必要があるため、二の足を踏むケースもあると思います。
ただ、飲食業など人手不足の厳しい業界では、働く人のニーズを幅広くくみ取りたいでしょう。今後は他社との差別化を図りたい企業から、給与デジタル払いの導入が進むと思います。
コロナ禍を経てクレジットカードやスマホ決済などキャッシュレス決済は私たちの生活に浸透しました。2024年の個人消費に占めるキャッシュレス決済比率は42.8%と過去最高です(経済産業省)。
使い慣れると便利なキャッシュレス決済やデジタルマネーですが、問題は家計管理です。予算を厳守するなど、使いすぎには注意しましょう。
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