ママスタ【第1話】から読む。
前回からの続き。俺はアヤト。弟のカケルはなんとなく頼りなくて、子どもの頃から「俺が面倒を見てやらなきゃ」という気持ちが大きかった。それは大人になってからも一緒で、飛行機の距離に住むようになった今でも、「手伝いに来て」と言われればできるかぎり行くようにしている。とくに嫁さんが出産して家を空けるようなときには心細いだろうから毎回行くし、甥っ子たちの誕生日でも「来て」とお願いされれば行く。カケルにとって「頼れる兄ちゃん」でいないといけないと思っていたんだ。

子どもの頃から「俺がカケルを守ってやらないと」と思っていた。それは大人になってからも結婚してからも同じで、遠方に住んでもいつも俺は頼られていた。

カケルから頼られるたびに、「よし来た!」と飛行機に乗って駆け付けてやっていたんだ。でも……。

そうやって家を空けるたび、妻はいい顔をしなかった。俺は「冷たい嫁をもらっちまった」とうんざりしていた。

そんなある日、カケルから「嫁が妊娠して大変だから手伝ってほしい」と連絡が来た。俺は喜んで手伝いに行き、「兄ちゃんに任せろ」と料理も掃除も洗濯も買い物も、全部やりに行ってやった。いつもカケルたちは笑顔で、「ありがとう」と何度も言っていた。

それ以来、手伝いに行くのが恒例になった。甥っ子たちの誕生日や七五三などのイベントのときにもカメラマンとして行った。妻はますます不機嫌になったが、俺は知らんぷりをしていた。そしてカケルに3人目が生まれるとき、ケンカになった。


家に帰ってくると妻たちはいなかった。会いに行くなり妻は俺に離婚を突きつけ、子どもからも拒否された。
カケルを手伝いに行くたびに妻が嫌な顔をしていて、冷たい女だと俺はうんざりしていた。
困ったときにきょうだいで助け合うのは当然じゃないか。カケルのところに3人目が生まれたときにも、妻に行くのを止められた。だから「嫉妬するな」と説得して家を空けたんだ。だけど結果的にそれが離婚の引き金になってしまったらしい。
結局誰からも必要とされなくなった俺は、家にひとりきり。
今は「どこで間違ってしまったんだろう」と自問自答する日々だ……。
原案・ママスタ 脚本・motte 作画・Ponko 編集・海田あと
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