「しょうゆかけたら」と息子をそそのかす夫にイラッ。「味覚が合わない」夫婦の末路とは

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2025年04月18日 22:10  All About

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「恐怖の味オンチ」だという夫と、料理をして出来上がったものを食べるのが何より楽しいという妻。「気持ちがすれ違うのは食事だけ」なのだが、繊細に味付けた料理にソースやしょうゆをドバドバかける夫に、妻のモヤモヤは止まらない。
「キッチン&ベッド」は男女の相性を見る上で大切なことと言われている。結婚で何を重視するかは人それぞれだが、この2つは確かに夫婦間に亀裂を生みやすい。

味オンチの夫

自分が美食家というわけではないけれどと前置きをして、ミカさん(42歳)はこう語る。

「結婚前から、夫は食べ物にこだわりのない人だということは分かっていました。しみじみと和食を味わうより、オムライスやラーメンなどの一品物が好き。でも結婚するとき、こういう夫だったら生活する上ではラクかもと思ったんですよ」

ところがこの判断が失敗だったとミカさんは言う。ミカさんは結婚するまで実家住まいで、あまり料理はしなかった。ところが結婚して自分で料理をするようになってから、「趣味のようにはまった」という。

「共働きで忙しいけど、料理が気分転換になるんですよ。無心で料理して、出来上がったものを食べるのが何より楽しくなって」

ところが夫は「恐怖の味オンチ」だった。一品料理が好きなのは「めんどくさくないから」という理由でもあった。同じラーメンでも、どの店のラーメンがおいしいとか好みだとかはほとんど語らない。「とりあえずおなかがいっぱいになればいいから」だ。

手間暇かけた手料理にも無反応

「そんな夫なのに、私は逆に料理にはまり、インスタントや加工食品はほとんどとらなくなった。出汁(だし)をとっておいしい味噌を買ってという生活をしていたけど、今では味噌まで手作りするようになって……。餃子もしゅうまいも皮から手作りしてます。夫は無反応なので、まったく意味のないことをしているのかもしれないけど」夫には「おいしい」「おいしくない」の区別がつかないのだという。

味覚障害があるわけではないが、つまりは「食べるものに興味がない」ということ。

「そういう人がいること自体、私にはよく分からない。食はもちろん生命維持に必要な本能的な欲求だけど、文化でもあると思うんですけどね。例えばインスタントラーメンだって、みんな好みがあるでしょ? でもうちの夫は好みがないんです。おなかが空いたら何でもいい。どこのメーカーのでもいい。不思議ですよね」

だからといって、出されたものをそのまま食べるとも限らない。味の濃いものが食べたいときは、何にでもソースかしょうゆをかけてしまう。

「せっかく作った八宝菜に、箸もつけずにしょうゆをドバッとかけられたときはショックでした。『だって色が薄いから』って。それを少し食べてみたら、しょうゆの味しかしませんでした。泣きたくなりましたね」

息子は味オンチにしたくない

6歳になった一人息子は今のところ、出来たものはそのまま食べてくれる。「ママ、おいしい」とも言ってくれる。

だが夫は、そんな息子に「しょうゆかけたら、もっとおいしいよ」とそそのかすことがあり、腹が立つとミカさんは言う。

「食事のことで一切文句は言わないなんていいじゃないと友人は言うんです。おかずが少なかろうが、忙しくて今日はレトルトカレーだけね、なんて言っても夫は平気。私のほうが耐えられずにサラダや味噌汁を作ってしまうんですが。私の帰りが遅かったり会食が入っていたりするときは、冷凍庫に作り置きしてあるもので適当に息子と2人で食べてくれたりもするから、それは確かにありがたいんですけど……」

夫は意外にきれい好きだから部屋はもちろん、風呂やトイレの掃除もいつの間にかしておいてくれる。ミカさんが子どもを連れて実家に行ってきた日などは、夕方帰ったら、家じゅうの窓がピカピカに磨いてあった。

やり場のない気持ちをどうしたら

「食事だけなんですよね、気持ちがすれ違うのは。私が一生懸命作っても、まったく通じない。うまいとは言うけど、それはあなたがさっきドバッとかけたソースの味がするだけだよねという感じ(笑)」

しょうゆやソースはもちろん、紅ショウガや刻んだ漬物など、目の前にあるものをおかずに山盛りに乗せることもある。繊細に味付けたつもりの出汁の効いた煮物に紅ショウガを乗せられたときは卒倒しそうになったそうだ。

とはいえ、夫に対しての不満はそれだけだから、私がちょっと我慢すれば済むだけなんだけどとミカさんは苦笑する。

「そうそう、一度、義両親に手料理をふるまったことがあるんです。義母はおいしいと感動してくれましたが、義父は黙っていました。そんな2人を横目で見ながら、夫は相変わらずしょうゆをぶっかけ、父親にも『かければ?』って。義母が、『お父さんも息子も、まったく分かってないのよね』と笑っていました。お義母さんも同じ思いをしてきたんだと思うと、少し気が楽にはなりました」

それでもやはり、毎日、モヤモヤするんですよね、とミカさんはやり場のない気持ちをどうしたらいいか分からないという調子でつぶやいた。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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  • 話が少しおかしいと思ったら、この人>亀山 早苗 | 味が薄いから、しょうゆかけてるんでしょう? 別に、大皿に盛らないで、初めから、各自に小皿で出せば、あとは好きに食べてもらえばよいのでは?
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