
連日にぎわいを見せる大阪・関西万博。万博関連のニュースがテレビやネットメディアで多く報道される中、警備員が男性客に土下座している動画がXで拡散され話題に。4月22日には「万博の警備員」がトレンド入りするなど、波紋が広がっている。
土下座の強要は“カスハラ”
問題の動画については、『FNNプライムオンライン』も視聴者からの提供を受けて大きく取り上げている。撮影された場所は万博の西ゲート付近。警備員が帽子を脱いで、腕組みをして何やら怒鳴っている男性に土下座をする様子が映っている。
客から従業員に対しておこなわれる理不尽なクレームや嫌がらせなどの迷惑行為のことを「カスタマーハラスメント」(通称・カスハラ)というが、今回の件は該当するのだろうか。
「動画の撮影者によると“警備員さんに《土下座しろ》的な大きな声を発して”いたとのことなので、“カスハラ”にあたる可能性はゼロではありませんね。ただ、一部報道では、警備員が“身の危険を感じて自ら土下座した”という話もあります。
東京や群馬、北海道などでは2025年4月から全国で初めてカスハラの防止条例が施行されました。東京都のガイドラインを例に挙げると、“長時間の居座りや電話”“撮影した顔や名札を無断でSNSに公開すること”などに加えて、“土下座の強要”もカスハラとして認定されています。万博会場は大阪ですが、土下座は強要されたもののようですし、この男性が罪に問われてもおかしくはありません」(ワイドショースタッフ)
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企業は続々と対策を導入
この動画が拡散されると、ネット上では、
《これは明らかにカスハラだろ》
《万博にまでカスハラする奴いるんだ……》
《何があったかわからないけど、土下座を強要したとしたらカスハラにあたるのでは?》
などの声が殺到。
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条例によると、カスハラをおこなった客に対しては悪質性に応じて出入り禁止措置などがとられるという。過去には、“土下座の強要”で逮捕された事例も。2025年2月、福岡県の家電量販店で店員に土下座をさせたとして男が逮捕されている。この男の場合は店員へ暴力団の存在もほのめかしていたため、土下座だけでの逮捕ではないのかもしれない。しかし、警察に対して「土下座を強要していない」と容疑を否認しているのを見ると、逮捕の決め手として土下座も重要な要素のひとつになっているようだ。
また、独自にカスハラに対する方針を決めている企業も多い。2024年には全日空と日本航空が共同でカスハラへの対応方針をまとめて発表。警察への通報なども含め、毅然とした対応を取る姿勢を明確にしている。なお、2023年度にこの2社が把握した事例はおよそ600件以上にも上るという。
ほかにも、コンビニ業界ではローソンが店員の名札を実名ではなくイニシャルでもOKにしたり、ファミリーマートでは“偽名”の表記も可能とするなど、続々と対策が取られている。
10月まで続く大阪・関西万博。会場でも何らかのカスハラ対策は必要かもしれない。
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