2025年版「買ってはいけない男のファッションアイテム」ワースト3。知らずに買ってしまうと大損…

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2025年04月23日 09:21  日刊SPA!

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―[メンズファッションバイヤーMB]―
 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第528回をよろしくお願いします。

◆「買ってはいけないアイテム」は常に変化

 今回はファッションにおいて「今は買っちゃいけない3つ」をお教えします。

 目まぐるしく変化するファッション業界のトレンドや景況、買うべきアイテムも変化します。最新事情を取り入れて、ぜひ賢い買い物をしてみてください。

◆★ハイブランドはもう買うな!

「GUCCIの新ディレクターに元BALENCIAGAのデムナ・ヴァザリアが就任」とか、「Diorの新ディレクターに元LOEWEのジョナサン・アンダーソンが就任」とか、ハイブランドは今、人事異動で話題もちきり。ファッションメディアは連日これらを報じています。……が、そもそも為替や原材料高騰、そして、戦争による輸送費高騰などを受けて、有り得ないくらい高くなっているのが今のハイブランド。

 10年前なら30万円程度で購入できたPRADAのミドルサイズバッグが、今季はなんと100万円超え。アートの世界で「原価」を気にするのも野暮な話ですが、いくらなんでも高すぎる。ディープな服好きであっても呆れ気味な昨今の値段高騰ぶり。もはやハイブランドは買うものではなく、眺めるものになりました。

 加えて今、正直どこのブランドに足を運んでも似たようなラインナップばかりになっています。大資本のブランドコングロマリットに牛耳られている今のハイブランド。どこも高度なマーケティングを駆使した結果、店頭は「世界観」より「売れるもの」を集めるようになった。

 皆がほしがるものは似たり寄ったりですから、マーケティングが発展した結果、「どのブランドに行っても同じようなアイテムばかり」と個性が失われているわけです。

◆高すぎる価格で無個性なトレンドアイテム

 クラシックな革靴として知られるBERLUTIやプロユースダウンとして有名なMonclerがハイテク感あるスニーカーを出したりするのはその典型。これでは成金でもない限り、購入する気が起きません。もちろんランウェイショーなどでは各ブランドの世界観が表現されていますが、実際の店舗展開される商品では似たようなものばかり。

 結局、話題は人事異動でディレクターを変えることしかなく、「価格高騰により売り上げは上がっているけど、中身はつまらなくなっている手詰まり感」を感じます。

 反面、日本のブランド達はハイブランドやファストに負けないように個性を追求しており、今は面白い。高級なものはハイブランドに負け、シンプルなものはファストに負けるため、面白いデザインや装飾を追求しており……今、服好きは日本ブランドに注目しています。

 為替の影響も受けにくく(完全に受けないわけではないですが)、小ロットで面白いアイテムが作れる日本の生産背景(大量生産の中国に勝つために日本の工場は小ロット対応してくれるところが一般的です)。

 昔は「一級品を買うならハイブランドへ」というイメージでしたが、今やハイブランドは「高すぎる価格で無個性なトレンドアイテムを並べるところ」になり始めているような……。今、買うべきは日本ブランドです。ぜひセレクトショップなど足を運んでみてください。

◆★アウトレットはもう買うな!

 以前はハイブランドなどを賢く手にできるいいマーケットでしたが……最近は少し変わってきています。数年前なら一度アウトレットに行くと大量に買うものがあり車のトランクをパンパンにして帰ってきたものですが、最近は行っても「取れ高ゼロ」の時も多い。

 というのもお店に並んでいる新作が少ないのです。3年前4年前の在庫はあれど、今年昨年など直近の在庫があまり並んでおらずいつ行っても同じようなラインナップ。食傷気味なのですね。

 実はコロナ以降アパレルは在庫問題に直面しています。コロナの際は一斉に営業自粛を余儀なくされ、その際には大量の在庫が余りました。結果アウトレットに流れていきましたが、当然これブランド側からすると大打撃です。利益が取れず「投げ売り」状態で捌くことになってしまったので大赤字になったところも目立ちました。

 加えてコロナ以降、戦争の影響なども多く、納期遅れが頻発しました。実はこれ現在も続いており、夏物が10月に入荷されたり、冬物が4月に入荷されたりと工場の納期遅れが深刻です。ここ最近はようやく解消されてきたとはいえまだまだ見かけるこの納期遅れ。当然冬物を4月に買う人はいないので、店頭で売れずアウトレットなどに行くか廃棄になります。

◆アウトレットに流れるアイテムが激減

 こうしたことがここ数年続いていたのでブランド側は「発注量を絞る」考えに寄っています。いつ何かまた不足の事態が起こるかわからないため、発注を慎重にし「適正数量より少し足りないくらい」に在庫を揃えるところも少なくありません。するとシーズン終わりに余る在庫が少なくなるため、結果的にアウトレットに流れるものが激減するわけです。

 ブランド側としてはアウトレットはいい在庫の捌け口ではあるのですが、あまりにも在庫金額が大きいと利益が取れず苦しくなる。コロナに戦争に災害に……ここ数年予測不可能な事態が多かったため、皆慎重になり、アウトレットの在庫薄状況が続いているのです。

 アウトレットに行くくらいなら今はBUYMA(海外輸入品を安く手にできる)やGILT(アウトレットの様な型落ち品をさらに安く手にできる)、CETTIRE(新作を特殊ルートで仕入れ格安で販売するグレーマーケット通販)などから購入したほうが賢いかと思います。

 ちなみにこれら3サイトはすべて正規品を扱っており、偽物の流通可能性は極めて低いのでご安心を。

◆★レディースは買うな!

 ジェンダレスの流れも手伝って「男性がレディースから良品を探す」流れが近年強かったのですが……ここ最近はあまりコレおすすめしません。

 というのも、ジェンダレスの流れが徐々に弱くなってきているのです。レディースはよりレディースらしく、メンズは以前の韓国アイドルのようなトレンドから長瀬くんのようなやや男臭いルードなスタイルに人気が移りつつあります。

 多様性も叫ばれて久しいですが、トランプ政権になってからアメリカもこちらを方向転換していますし、ファッションブランドにおけるマイナー体型モデル起用も実は少なくなってきているのです。

◆「レディースに実は良品がある」の問題点

 ジェンダレスや多様性などは社会の在り方としては正しいと思うのですが、ファッショントレンドにおいては真逆の方向に進んでいる。そのため「男性がフェミニンなレディース服から選ぶ」などは今後はあまり機能しないと思われます。

 実際、シルエットやパターンもレディースはレディーライクなものが増えてきていますし、違和感を覚えるものが多いはず。ワイドパンツなども以前はレディースもメンズも共通の太いシルエットでしたが、最近は体のラインを意識した立体的なものが増えてきています。

「レディースに実は良品がある」など謳うインフルエンサーは多いですが、トレンドや服作りの観点からはおすすめできないのです。

 以上、今回は買っちゃいけない3つをお届けしました!

―[メンズファッションバイヤーMB]―

【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『ロードマップ』のほか、『MBの偏愛ブランド図鑑』『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Xアカウント:@MBKnowerMag)

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