記者会見で頭を下げる日本郵便の千田哲也社長=23日午後、東京都千代田区 日本郵便は23日、東京都内で記者会見し、全国75%に当たる約2300の郵便局で、配達を行う運転手の酒気帯びの有無などを確認する点呼が不適切に行われていたと発表した。国土交通省は今後、監査に入り、行政処分を検討。総務省も再発防止策の報告を命じた。
日本郵便によると、点呼を実施していないにもかかわらず、記録簿を作成する改ざん行為が行われていた。本社が作成したマニュアルには、一人で点呼を行ってよいとする誤った方法が記載されていた。運転手による飲酒運転は、昨年度に横浜市などで4件確認されたという。
再発防止策として、4月からは点呼を対面で行い、防犯カメラに映る位置で行うほか、デジタル化も進める。
記者会見で千田哲也社長は「書類が整っていれば点呼できていると考えた。実態を把握するというガバナンスが欠如しており、深く反省している」と述べた。
国交省によると、乗務前後の運転手に対し、酒気帯びの有無や健康状態を確認する点呼は、貨物自動車運送事業法などで事業者に義務付けられている。違反があった場合、営業所ごとに車両使用停止の処分が出される。