警戒心MAXなノラ猫を保護→現在の穏やかな姿に感動!リビングで堂々の“ヘソ天”も披露

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2025年04月24日 16:10  女子SPA!

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【今日のにゃんこタイム〜○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.171】

 警戒心MAXな瞳が、こんなにも穏やかになるなんて……。家猫元庭猫さん(@ieneko7nyans)宅で暮らすあんこちゃんのビフォーアフターは、そんな感動をくれます。

 あんこちゃんは飼い主さんと運命的な出会いを果たし、兄妹と一緒におうちへ迎えられました。

◆偶然出会った野良猫が自宅の庭に現れるように

 2021年10月中旬、3匹の猫と暮らす飼い主さんは庭に来るようになった「坊ちゃん」と「茶々丸さん」という野良猫の保護を検討するようになりました。

 しかし、先住猫の心的負担を考えたり、野良猫のお迎えに必要なことを調べたりと、保護に向けて動いているうちに、坊ちゃんは茶々丸さんを残して姿を消してしまったそう。

 そこで捜索を開始したところ、偶然、あんこちゃんに出会いました。

「その時は持っていたカツオパウチを渡して、『どうか幸せな猫生を送れますように』と願いながら別れたんです」

◆庭にハウスを作り、そっと見守る日々

 ところが2週間後、あんこちゃんは飼い主さん宅の庭に出現。茶々丸さんに守られながら暮らすようになりました。

 どうやって我が家を見つけたのだろう。そう不思議に思いつつ、飼い主さんはあんこちゃんと関わるようになりました。

 やがて、あんこちゃんの兄妹猫2匹も庭に現れるように。飼い主さんは庭にハウスを作り、寒さをしのげるようにしましたが、みんなで固まって暖をとる姿を見て、保護を決意しました。

「坊ちゃんのように突然いなくなってしまう前に保護したいと思いました。だから、近所でこの子たちをかわいがっている人がいないかを調べたんです」

 その聞き込み調査によって、あんこちゃんたちの生い立ちや昼間に過ごしている場所が判明。どうやら、あんこちゃんたちは空き家になった家の庭で産まれたらしい――。

 昼間に行くおうちの住人の方も猫好きさんで、あんこちゃんたちにTNR(※)を行っていたのです。

「その方に保護を考えていると伝えたら、賛成してもらえたので決意がより固くなりました」

(※)捕獲器などで野良猫を捕獲(Trap)し、不妊手術(Neuter)を行い、元の場所に戻す(Return)活動のこと

◆捕獲機なしで保護に挑んだ

 できるだけ負担をかけずに保護したい。そう考えた飼い主さんは捕獲器を使わず、“おうちでご飯食べていたら家猫になっていた作戦”を決行しました。

「庭に面した窓を猫が通れる隙間だけ開けて、24時間自由に出入りができるようにしつつ、ご飯を家の中で食べられるようにしたんです。その間、先住猫たちには2階で生活してもらいました」

 飼い主さんは茶々丸さんも、この作戦で保護することに。あんこちゃんと茶々丸さんは、比較的早く人馴れしてくれました。

「あんこはすぐに家でご飯を食べてくれ、日中も時々遊びに来ては居間でまったり。私は監視カメラで姿を確認しては、ニンマリしていました。手を伸ばすと逃げましたが、調子がいいと挨拶代わりに身体を擦りつけてくれるようになったんです」

 しかし、対照的にあんこちゃんの兄妹はなかなか慣れてくれません。それでも飼い主さんは4匹まとめての保護をしたいと思い、おうちご飯作戦を続けました。

 1週間ほど経ったころ、飼い主さんは窓が閉まった状況に慣らしたいと思い、あんこちゃんと茶々丸さんが家の中でご飯を食べている時に窓を閉めたそう。すると、あんこちゃんは大鳴きしてしまいました。

「このまま外に出したら2度と帰ってこないかもしれないと思うほどだったので、そのまま2匹には家猫になってもらいました」

◆家猫にするのは幸せなのかと悩んだ日々

 お迎え当初、あんこちゃんはやはり大暴れ。窓の隅を引っ掻きながら大鳴きするため、飼い主さんは可哀想なことをしているのでは……と心が折れそうにもなりました。

「幸せを倍返しするから」。そう気を引き締め、あんこちゃんと向き合っていると、お迎えから1週間ほど経つ頃には落ち着いてくれたそう。あんこちゃんは一緒に保護した茶々丸さんを慕い、家猫ライフを楽しむようになりました。

「起床後の日課は、茶々丸を探すこと。寝る時には横に行き、茶々丸に毛づくろいして貰います。茶々丸がいたから、保護後の不安定な時期も乗り越えられたのでしょうね」

 やがて、兄妹猫ともおうちで合流ができました。

 残念ながら、兄妹猫のマルコちゃんは病気で逝去してしまいましたが、生き残った兄弟猫のマルオくんとは鼻先タッチで挨拶したり、一緒に寝たりと心地よい距離感で交流しています。

 なお、あんこちゃんは先住猫たちとも喧嘩をせず、同じ空間で過ごせています。ただし、もっとも小柄で軽量なのに、一番勝ち気な性格の持ち主でもあるため、先住猫たちがタジタジになる場面もあるのだとか(!)。

 そうしたやんちゃな姿が見られるのも、命があってこそ。

 飼い主さんは保護前、一緒に生活できない病気があったらどうするのか、そもそも外の子にとって狭い家での生活は本当に幸せなのかなど、悩みに悩みぬいてから保護を決断しています。

 だからこそ、空調の効いた部屋でのんびり日向ぼっこを楽しむあんこちゃんを見るたびに湧く、感慨深い気持ちもひとしおです。

「今も厳しい環境下で辛い思いをしながら生活している子がいるのだと思うと、幸せな猫生であることを祈りたくなります。すべての外猫を保護することは不可能ですが、手の届く範囲で保護をしながら、ずっと暮らせるお家探しを手伝いたいです」

 家猫になり、ボール遊びの楽しさも知ったあんこちゃん。そのニャン生がこれからも豊かなものでありますように。

<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291

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