ペット用「みずら」って何? 売り上げ増で製作者も困惑、飼い主とおそろにできる「古代グッズ」

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2025年04月25日 17:40  まいどなニュース

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アートシリーズでお揃い!(提供:ネコノテ堂/ NEKONOTE Handmade Shopさん)

「ペット用『みずら』発送しました
普段売れない『みずら』が立て続けに売れました。春だからか、判断力がふんわりしてきているのかもしれません。
いいですか、あなたが買おうとしているのは『みずら』ですよ」

【写真】「みずら」を着用した猫さん…可愛いですね!

こんなポストをされたのはネコノテ堂/NEKONOTE Handmade Shop(@nekonote_shop)さん。 投稿されたのは、ペット用の「みずら」が突然売れ始めたという驚きの報告。「みずら」とは、古代から平安時代にかけての成人男性の髪型で、髪を左右に分け、耳のあたりで輪を作って結んだものです。

投稿された写真には、「みずら」をつけた猫さんが、まるで古代人のようになった姿が写っており、あまりの可愛さとギャップに笑みがこぼれます。

「これは…考古学的にも可愛すぎる」
「みずら、買ってしまった自分が好き」
「猫が似合いすぎて声出た」
「もはやペットじゃなくて古代の王族」

斜め上からのアプローチである「みずら」について、絶賛のコメントが多数寄せられました。ネコノテ堂さんでは、2023年6月に福岡で開催された「古代フェス」にて「ペット用みずら」を初めて販売し、古代グッズをいろいろ手がけておられます。ネコノテ堂さんにお話を聞きました。

「ペット用みずら」を販売したのは?

ーー2023年に開催の「古代フェス」で「ペット用みずら」を初めて販売されたとか。

写真の日付をたどると、2023年の4月ごろには「みずら」の試作品を作っています。

「古代フェス」とはコダイプレスの中村麻衣子さんが主催のイベントで、期間中は古代をモチーフにしたハンドメイド作品の物販や古代にまつわるトークショーなど様々な催しがありました。

以前、私は「九州国立博物館」(福岡県太宰府市)で教育普及チームの一人として働いていました。子ども向けの展示解説パネルやイベントの企画を担当しており、教育普及の一環として「きゅーはく女子考古部」を立ち上げたことで、考古に深くかかわることになります。

「きゅーはく女子考古部」とは考古好きの女性のために発足した部活で、古墳めぐりや古代食作りなど部員がやりたいことを決め、その活動内容に応じたアドバイスを考古専門の職員が行います(現在、部員の募集は行っておりません)。

その女子考古部の部員として応募してきたのが中村さんでした。「ペット用みずら」が生まれた直接のきっかけは、彼女から古代フェスの出店に誘われたことだと思います。

しかし、一番大きな要因は私自身がたくさんの経験をしてきたことだと思います。私はいわゆる氷河期世代で就職もすんなりといきませんでした。もし、どこかにすんなり就職していれば「みずら」の誕生はありませんでした。

アメリカで美術を学んだり、テレビ局でアルバイトをしたり、中国で日本語教師になったり、歴史資料館で土器を洗ったり、博物館に勤めたりと、ほかの人があまり経験しないことばかりやってきました。

博物館も5年間の有期雇用でしたので、さて次の仕事はどうしようかとなったわけです。そこで、やるなら自分で商売を始めてみようと思い、2022年にネットショップをオープンさせました。

猫が好きだったこと、着物が好きで今までたくさん集めていたこと、その好きなもの2つを合体させ、オープン当時は着物生地を使ったペットと飼い主おそろいアクセサリーを作っていました。

そして、作品作りのアイデアとして自分の好きなものを取り入れ続けた結果、着物×猫だったのが、アート×猫、そして古代×猫とどんどん増えていきました。そのうちの一つが「ペット用みずら」です。最近は、自分だったらこんなミュージアムグッズが欲しい!という気持ちでいろいろな作品を作っています。

犬、猫、ぬいぐるみにも着用できます

ーーペット用とのことですが、犬か猫向けですか?

「作り手としては犬と猫を想定して作っています。どんなふうに使っていただいてもかまいませんが、嫌がる動物に無理やりつけるのはやめてほしいと思います。

たまたま、私の家の猫2匹は何をつけても何をのせても気にしていないようなので、モデルになってもらっています。

ペット以外の使用例としては「ぬい活」のぬいぐるみ用があげられます。お客様がサイズで悩んでおられたので、私はペットが犬か猫かをたずねました。すると「これ用です」とカバンからぬいぐるみを出されて、なるほどと思いました。私は流行に疎いので、ぬい活という文化があることをこの時にはじめて知りました。

ーー「ペット用みずら」の販売数が増加したということですが?

販売数の話をすると、今までほとんどといっていいほど売れていませんでした。どこにこんな「みずら」需要があったのか本当に不思議です。バズったことで一気に注文が増えました。それは、春のふんわりした気候せいと言えるかもしれません。実はあまりSNSが得意ではなく、お店の宣伝として3年ほど前にしかたなく始めました。

バズるなんて思ってもいなかったので、普段からすべてのSNSの通知をOFFにしていたくらいです。大変な数のいいねがついていると知らされたのは家族からでした。私の友人たちもSNSをしていないので、どなたのリポストから拡散したのか全く見当もつきません。

ーーほかにも、おすすめの商品はありますか?

ペットと飼い主おそろいアクセサリー

「ネコノテ堂ではペットと飼い主おそろいアクセサリーとして、主に3つのシリーズで展開しています。もちろん人間用だけでもどうぞ!ペット用首輪、スタイ、蝶ネクタイ、人間用のピアス、ヘアバンド、蝶ネクタイ、着物の半衿などを販売しています。

【着物シリーズ】
本物の着物を一枚一枚丁寧に解いて作った一点物のペットと飼い主おそろいアクセサリーです。

【アートシリーズ】
ペットとの日常にアートを!誰もが知る名画からマニアックなアートまで幅広く展開していく予定です。モンドリアンやクリムト、ビアズリーのアクセサリーが人気です。

【古代シリーズ】
縄文時代、弥生時代、古墳時代(装飾古墳の文様グッズもあります)など、古代をモチーフにしたグッズです。ペット用の「みずら」「古墳島田」が買えるのは、日本中で、いや、世界中でネコノテ堂だけのはず。貫頭衣とセットであなたのペットも古代猫(犬)!?

博物館仕込みの知識と、ペット愛と、ものづくりへの情熱から生まれた「みずら」。ユニークさの奥に、深い背景とこだわりが感じられる作品でした。ふわりと暖かくなってきた春、あなたのペットも古代の風に吹かれてみてはいかがでしょうか。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・椎名 碧)

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