
前回からの続き。俺はケンタ。妻のカナと、5歳の娘アオイ、3歳の息子ユウトとの4人家族。今住んでいる家は昨年、自分がローンを組んで建てた二世帯住宅だ。俺は両親を住まわせ、金銭的な援助をして助けていた。代わりに両親も子どもたちの面倒をときどきみてくれたりして、カナもそのことに感謝していると思っていたのだ。けれど、母の誕生日を手料理でもてなしてくれと頼んだところ、カナは激怒。これまでの不満をぶちまけたあと、子どもを連れて実家へ帰ってしまったのだった……。
休日出勤から帰ると、カナも子どもたちもいない。実家に帰ってしまったのだ。すると地元の友達、ショウとサエから飲みの誘いがあった。少し酔いはじめたところで、俺はグチる。「急に怒りだして、子ども連れて実家に帰ってさ。なんだよって感じ」


ショウやサエの反応が予想外だったので、俺は「あれ?」と思いはじめた。もしかしたら自分がちょっとおかしいのか……? そしてとどめにこう返されて俺は驚愕した。「すぐ離婚されてもおかしくないよ?」「ちょっとモラハラ入ってるぞ」

俺が止めるのを聞かずに、カナは子どもを連れて実家へ帰ってしまった。そんなとき友人のショウとサエから誘いを受けた俺は、気分転換に飲みに行くことにした。
そこでカナの愚痴をこぼすと、ショウとサエは顔を見合わせた。2人によると俺はカナに大きな負担を強いていて離婚されても仕方がないらしい。両親を援助するのは子どもの義務だと思っていた。親孝行するのは当然のこと、そう思ってカナにも頑張ってもらってきた。しかし、俺はその考えにカナを付き合わせすぎていたようだ。2人の意見を聞いて、俺は自分が間違っていたと気づきはじめたのだった。
【第5話】へ続く。
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