婚活での“当たり前の質問”が「子作りを連想して気持ち悪い」。恋愛経験ゼロで生きてきた、33歳女性の苦悩

4

2025年05月03日 16:20  女子SPA!

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

女子SPA!

写真
 こんにちは。これまで3000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”から脱出した経験を活かし、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。

 過去に一度も恋愛経験がない、という大人が増えています。筆者のところへ相談に来た女性・優実さん(仮名・33歳)もその一人。「マッチングアプリは、恋愛経験がない自分には危ない」と思い、去年から結婚相談所で婚活をしています。

 男性と会えるには会えるのですが、会っても楽しいと思えずピンとくる人がいないため、1回目で断ることがほとんど。そんな彼女には、婚活で「されたくない質問」があるといいます。

◆子どもは好きか聞かれると、子作りを連想して気持ち悪い

 結婚相談所の担当者から「嫌じゃないお相手ならもう一回会ってみてはどうでしょうか?」とアドバイスされ、可もなく不可もなくのお相手なら「交際希望」を出すことにした優実さん。

 2回目のデートで、相手の男性から質問されました。

「お仕事は結婚後も続けられる予定ですか?」
「まあそうですね。そのつもりです」

 この時に、共働きを期待されているのかなと感じたそうです。

「子どもって好きですか?」
「えっと、好きか嫌いかあまり考えたことがないです」

 優実さんはこの質問を、子どもを産んでほしいという圧力だと感じたそうです。男性との交際経験がない彼女は、まだ好きとも思っていない相手から子作りの対象と見られたことを、気持ち悪いと感じて断ってしまいました。

 別の男性には交際希望を出したものの、向こうから断られてしまい会えません。このまま相手探しを続けても結婚する未来が見えないということで、筆者のところへご相談にやってきました。

◆周りは年収400万円以上だから、300万円台の男性はNG

「私もモテたわけではないですし、自分と同じ30代の男性から申し込み(※会いたいという意思表示)をされたら、よほどじゃない限り会うようにしていました」

 この「よほど」というのが気になったので断った男性のことを聞きました。高卒の男性と、年収300万円台の男性だそうです。

「別にみんな普通に大学ぐらい進学するし、周りには大学に行かない人がいなかったので断ったんですけど」
「それは恵まれていたんですね。今でも大学進学率は50%台なんですよ」
「そうなんですか」

 彼女は“自分の周りと比べてどうか”を基準にしていて、年収についても同様のようでした。

「年収は私だって400万円はあるし、同僚で営業職だと年収1000万円近い人もいるし、同年代の男性で300万円台は低すぎると思って断ったんですけど」
「でも、その職場で彼氏ができたことはないんですよね」
「そうですね」
「婚活サービスの出会いより、職場恋愛の方がライバルが少なくて比較検討されにくいから有利なはずなんですよ。職場に仲の良い男性はいますか?」
「いないです。中高が女子校なので、職場以外でも親しい男性はいません」

◆婚活なら、結婚後の話やすり合わせは当たり前

 彼女が“気持ち悪い”と感じた質問についても話してみました。

「まだ会って2回目の女性に、子どもが好きかって聞くのは普通ですか?」
「初対面のお見合いならば踏み込み過ぎかもしれませんけど、2回目ならば別に。婚活ですし、結婚後の生活のすり合わせをどんどんしていく方はいらっしゃいますよ」
「気持ちがついていかないのに、結婚後の話をされても困るんですけど。普通はもっと相手との距離感を縮めてからとか考えないものですかね」

 お互いのことをじっくり知っていくのが彼女の理想のようですが、婚活では事情が違います。

「婚活していたら、あちらだって他の女性と会っているし、デート代って男性が負担することも多いですよね。優実さんがゆっくり距離を縮めたいならそれもいいけれど、その希望をお相手に伝えていないのに、分かってくれと期待するのは無理がありますよ。それに、婚活しているのに結婚後の話されても困るって言うけど、優実さんはなぜ婚活しているの?」
「だって、結婚していないとヘンって思われそうで。別にバリキャリでもないし、偉くなりたいわけじゃないです。親も結婚してほしそうだし」

 なんだか、周りの期待のせいにして責任転嫁しているようです。

◆自分のやりたいことはなく、大学も仕事も知名度で選んできた

 優実さんは中高一貫の女子高から大学はMARCHに進学しました。自分の学力で合格できそうな大学をいくつか受験して、受かった中で一番知名度がある大学を選択。国際文化などを学ぶ学部に進学しました。

 大学には華やかな子もたくさんいましたが、サークルやインターンなどにあまり興味は待てなかった優実さん。アルバイトで貯めたお金でミュージカルを観るのが好きでしたが、オタクと呼べるほど観劇が好きなわけでもなく「誘ってくれる人がいたから行っていた」程度だそうです。

 やがて就活が始まり、やりたいことがない優実さんは有名大卒にもかかわらず苦戦しました。大手の不動産会社の事務職にやっと内定をもらえましたが、就職先が決まるのは周りよりずっと遅かったそうです。

◆「普通に恋愛や結婚ぐらいする」と思っていたのに

 不動産業界では、バックオフィスであっても休みは平日です。学生時代の友人たちはほとんどが土日休みで、社会人になり疎遠になってしまいました。

 優実さんにはそもそも結婚願望があまりなかったものの「普通に恋愛や結婚ぐらいする」とは思っていました。ですが、周りからの合コンの誘いなどもないまま20代後半に差し掛かります。その後新型コロナが流行り、人と会うことが制限されました。

 そうして、気が付いたら30代になってしまっていたそうです。コロナ禍中に同級生や同僚の中にはマッチングアプリを始めて,出会った相手と結婚する人もいました。

 前述の通り、恋愛経験がないためにアプリは危ないと感じ、コロナ明けに結婚相談所へ登録。理想の未来像はないけれど、消去法で「婚活」という選択にいたったようです。

◆周りに「結婚できない人」とは思われたくない

 受験や就活はそこそこ知名度があるところに滑り込めたため、婚活を開始したときは「振り返るとかなり甘く考えていた」という優実さん。

 大学受験や就活と婚活は似ているようですが、婚活は選ぶ側が「感情で決めている」という点で大きく違います。ただ、人気企業に内定をたくさんもらえる学生とそうではない学生と差が開くように、女性の中でも人気格差があるのです。女性の申し込みの多さを決めるのは、年齢と外見です。そして会ってから次に進むかどうかは、コミュ力次第です。

 申し訳ないのですが、優実さんは婚活女性の中で特に人気がある「いい女」ではありません。

◆人気を上げても解決しない、彼女自身の問題とは

 メイクを習って写真を撮り直すなどして人気そのものを上げることもできますが、根本的な問題はそこではないのです。その先の「どんな結婚がしたいのか」というのがフワッとしている優実さんは、会える男性が多少増えたところで決断できず、どの男性とも距離を縮めるのが難しそうな印象を持ちました。

「どんな結婚生活をしたいのですか?」
「結婚したいっていうより、結婚もできない人って思われたくないんだと思います」

 こう答えて、自分でハッとした様子の優実さん。少し婚活をお休みして、今後どうしたいのか自分を向き合う時間を作ると言っていました。結婚という今後の人生を左右する選択肢だからこそ、周りを見ながらではなく自分の意思で、道を選んでほしいと思います。

※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<文/菊乃>

【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt

このニュースに関するつぶやき

  • 案外アプリの方が細かい条件とかあらかじめすり合わせられるんじゃないのかな(やったことないから妄想です)
    • イイネ!2
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(3件)

ランキングライフスタイル

前日のランキングへ

ニュース設定