川崎・遺体遺棄 神奈川県警「必要な措置講じた」 女性は何度も相談

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2025年05月03日 21:20  毎日新聞

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遺体発見後、神奈川県警川崎臨港署には行方不明になっている女性の家族や知人が大勢訪れ、署員に説明を求めた=川崎市川崎区で2025年5月1日午後7時5分、清水夏妃撮影

 川崎市の民家で岡崎彩咲陽(あさひ)さん(20)の遺体が見つかった事件を巡り、神奈川県警は3日、「必要な措置を講じていた」とする見解を示した。元交際相手の白井秀征容疑者(27)から暴力やストーカー行為を受けたとして、岡崎さん側は何度も県警に相談していた。県警は岡崎さんが行方不明になってからも容疑者宅を確認したが、発見には至らなかった。


 県警の説明によると2024年6月13日、岡崎さんから「彼氏とけんかになった」と通報があった。警察官が対応し、岡崎さんを祖母の家に避難させた。


 さらに9月20日、岡崎さんが白井容疑者から刃物を向けられたり殴られたりしたと、岡崎さんの父親が通報。暴力行為等処罰法違反容疑でいったん被害届を出したが、岡崎さんが「事実と異なる説明をした」として取り下げたという。


 それ以降、岡崎さんと白井容疑者は復縁した時期もあり、県警は2人や双方の家族にも話を聞きながら対応したと説明した。


 12月には、岡崎さんから「(白井容疑者が)自宅近くをうろついている」などと何度も通報があった。警察官は岡崎さんに、連絡を取ったり訪ねたりしないよう助言したという。


 岡崎さんは12月20日から行方不明になり、22日には祖母が「自宅のガラスが割られている」と通報。県警は白井容疑者から7回にわたって事情を聴き、自宅などを3回確認したが、岡崎さんは見つからなかった。


 25年4月に入ると容疑者の所在がつかめなくなり、県警はストーカー規制法違反の疑いで30日に容疑者宅を捜索。遺体の入ったバッグが床下から見つかった。


 県警の柳博泰・人身安全対策課長は「重大な事案と認識している。今後の捜査を踏まえ、適切に事案の全容解明を図る」と述べた。


 こうした県警の説明について、岡崎さんの父親(50)は「怒りしかない」と憤る。父親は、祖母宅から岡崎さんが行方不明になって窓ガラスが割られていた際、捜査員から「事件性はない」と言われたと主張。県警はこの発言を否定し、言い分は食い違っている。


 岡崎さんは12月9日から、行方不明になった当日の20日にかけ、ストーカー行為に関して県警に9回電話していた。19日には岡崎さんから家族へ「殺されるかもしれない」とメッセージが送られていたという。


 父親は「捜査の仕方を間違ったから(岡崎さんが)死んだと思っている」と語気を強めた。岡崎さんの弟は「警察がもっと早く動いてくれていれば……」とショックを受けた様子だった。


 5月3日夜には、岡崎さんの親族らが県警川崎臨港署を訪れ、激しく抗議する様子も見られた。【横見知佳、宮本麻由、白川徹】



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  • 本件は警察の怠慢以外何にものでもないな。おかしな奴をのさばらせるな。
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