事実婚をしている人の約3割が、法律婚をしない理由について「自分または相手が改姓を望まない」と答えていることが民間団体の調査で分かった。選択的夫婦別姓制度が導入されれば法律婚をすると答えた人は半数近くに上った。
調査は同制度の導入を求める一般社団法人「あすには」が3月26〜31日に調査会社に依頼して実施。20〜50代の男女を対象に未婚、事実婚、法律婚の約530人ずつから回答を得た。
事実婚の49.1%は同制度が導入されたら法律婚をすると回答した。同法人による事前調査では20〜50代の2%が事実婚状態にあるといい、制度導入を待つ人は58.7万人に上ると推計されている。
複数回答で事実婚をしている理由を尋ねたところ、「自分または相手が改姓を望まないから」が28.9%で最も多かった。「戸籍に家族関係を載せる必要性を感じていないから」が23.3%、「『相手の家に入る』といった嫁・婿のような扱いが嫌だから」が14.5%だった。
事実婚で困っていることでは「税の控除が受けられない」が25.2%で、「配偶者として医療行為への同意ができない可能性がある」が21.8%、「相続権がない・遺言書があっても相続税がかかる」が19.7%と続いた。
同法人の井田奈穂代表理事は「事実婚をしている人は命とお金の不安がある。(選択的夫婦別姓は)人権問題だと認識してほしい」と訴えた。