雲仙・普賢岳 大火砕流の体験伝える「がまだすドーム」リニューアル

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2025年05月06日 08:16  毎日新聞

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毎日新聞

時速100キロで迫る火砕流の速さが体感できる「火砕流の道」=長崎県島原市で2025年4月21日午前9時53分、松尾雅也撮影

 雲仙・普賢岳の噴火災害を伝える長崎県島原市平成町の「雲仙岳災害記念館・がまだすドーム」が今春、リニューアルした。1991年6月3日、消防団員や火山学者、報道関係者ら43人が犠牲となった大火砕流の体験を住民の証言映像で伝える「災害の証言」や、火山内部の様子が分かるプロジェクションマッピングルームなどを新設した。


 同館は県の復興事業として2002年に開館した、雲仙・普賢岳の噴火について学べる体験型ミュージアム。山頂から時速100キロの速さでふもとの集落を襲った大火砕流を、映像と真っ赤な光で体感できる大型展示施設「火砕流の道」などを備えている。


 今回のリニューアルは、災害の記憶の継承とエンターテインメント性の両立を目指した。


 6人の災害体験者を紹介する「災害の証言」では、91年6月3日午後4時過ぎに発生した大火砕流直後の様子などが語られている。当時、島原市の島原第五小学校の教諭だった松尾好則さんは、大火砕流の発生を知り、下校を始めた児童たちを急いで学校に呼び戻したことや、災害後に避難所で暮らす児童を訪問し、学習指導をしたことなどを振り返っている。


 また、プロジェクションマッピングルームは、コンピューターグラフィックスの映像で普賢岳内部のマグマや地層の様子を再現。大火砕流に巻き込まれて亡くなったフランスの火山学者、クラフト夫妻が撮影した米ハワイやインドネシア、アイスランドなどの火山のパネル写真や映像も展示している。


 杉本伸一館長(75)は「火山のメカニズムや災害の教訓を多くの方に伝えることで、防災につなげたい」と意気込みを語る。【松尾雅也】


雲仙岳災害記念館・がまだすドーム


 入場料は大人1050円、中高生740円、小学生530円。大型スライダーなどを備える屋内遊具スペース「こどもジオパーク」(大人400円、小学生以下500円)のほか、溶岩ドームカレーやオリジナルソフトクリームなどが楽しめるカフェも併設する。同館(0957・65・5555)。



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  • 東京都の財政を食い潰したプロジェクションマッピング利権?当時被災地での報道関係者の無秩序な活動の為に火砕流で亡くなられた住民,消防団員や警官の方々,タクシー運転手の御霊に合掌…
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