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雲仙・普賢岳の噴火災害を伝える長崎県島原市平成町の「雲仙岳災害記念館・がまだすドーム」が今春、リニューアルした。1991年6月3日、消防団員や火山学者、報道関係者ら43人が犠牲となった大火砕流の体験を住民の証言映像で伝える「災害の証言」や、火山内部の様子が分かるプロジェクションマッピングルームなどを新設した。
同館は県の復興事業として2002年に開館した、雲仙・普賢岳の噴火について学べる体験型ミュージアム。山頂から時速100キロの速さでふもとの集落を襲った大火砕流を、映像と真っ赤な光で体感できる大型展示施設「火砕流の道」などを備えている。
今回のリニューアルは、災害の記憶の継承とエンターテインメント性の両立を目指した。
6人の災害体験者を紹介する「災害の証言」では、91年6月3日午後4時過ぎに発生した大火砕流直後の様子などが語られている。当時、島原市の島原第五小学校の教諭だった松尾好則さんは、大火砕流の発生を知り、下校を始めた児童たちを急いで学校に呼び戻したことや、災害後に避難所で暮らす児童を訪問し、学習指導をしたことなどを振り返っている。
また、プロジェクションマッピングルームは、コンピューターグラフィックスの映像で普賢岳内部のマグマや地層の様子を再現。大火砕流に巻き込まれて亡くなったフランスの火山学者、クラフト夫妻が撮影した米ハワイやインドネシア、アイスランドなどの火山のパネル写真や映像も展示している。
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杉本伸一館長(75)は「火山のメカニズムや災害の教訓を多くの方に伝えることで、防災につなげたい」と意気込みを語る。【松尾雅也】
雲仙岳災害記念館・がまだすドーム
入場料は大人1050円、中高生740円、小学生530円。大型スライダーなどを備える屋内遊具スペース「こどもジオパーク」(大人400円、小学生以下500円)のほか、溶岩ドームカレーやオリジナルソフトクリームなどが楽しめるカフェも併設する。同館(0957・65・5555)。
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