柴犬の仏像が可愛くも後光が差すようなたたずまい 仏師が本気で彫った「動物仏像」をご覧あれ

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2025年05月16日 11:50  まいどなニュース

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阿弥陀柴犬(画像提供:仏屋さかい)

蓮の台座に乗った柴犬の仏像。その名も「阿弥陀柴犬」が、Xで1万2000の「いいね」と2700超えのリポストの反響を呼びバズっている。

【写真】仏師の手にかかれば猫さんもこの通り福々しい姿に

「尊い」「信じられないくらい可愛い」などのコメントが寄せられ、「どこで買えるんですか?」と欲しがる人も。

これは本職の仏師による木彫りで、彩色を担当する奥さんと共作したオリジナル作品だ。SNSでは他にも柴犬のお雛様や猫のダルマなどの作品が投稿されている。

投稿主である仏師の「仏屋さかい・酒井豪」さんに話を伺った。

動物本来の雰囲気を残しながら仏像に彫っていく過程が難しくも楽しい

酒井さんが彫る動物の仏像は、Xでバズった「阿弥陀柴犬」が高さ16cmあるほかはどれも10cm前後の小さなもの。だからこそよけいに可愛く、手元に置きたくなるものばかりだ。

この大きさに、何かこだわりはあるのだろうか。

「仏像を制作する過程で端材がでます。その小さな端材でつくり始めたので、10cm程度になりました」

酒井さんは仏像の制作と修復を行う仏師だ。端材を無駄に廃棄せず、なるべく有効利用できないかと考えた。

酒井さんが仏師の道を志したのは、1999年のこと。仏像には全く興味がなかったのに、雑誌でたまたま見かけた仏師の記事を読んで興味が湧き、仏像彫刻教室に通い始めたという。

そして2004年に独立して「工房仏屋さかい」を立ち上げ、仏像を彫ったり修理の依頼に応じたりしているそうだ。

Xに投稿した柴犬や猫のほか、これまでにトラ、ヘビ、うさぎ、丑、龍、豚、象、熊などの動物を彫ってきた。酒井さんのInstagramには、ペンギン、白蛇、キツネ、猫のアマビエなどの作品も投稿されている。希望があれば、オーダーメイドにも応じているとのこと。愛犬・愛猫をモデルに彫ってもらうこともできるそうだ。

犬や猫で仏像を彫る際に、一般的な仏像と比べて技術的に難しい部分はあるのだろうか。

「一般的な仏像は形が決まっていますので、世に出ている仏像の資料などを参考に制作できます。一方、動物の仏像は前例がないため、イメージを膨らませないといけません。 動物は骨格が人間(仏像)と違うので、なるべく動物本来の雰囲気を壊さず仏像の姿になるように試行錯誤しながら制作しています。大変でも楽しい作業です」

丸みを帯びつつもしなやかな猫の体、モフモフの毛で覆われていながら筋肉質な柴犬の体格など、特徴を捉えてよく再現されている。

「小さいながらも表情豊かで臨場感が溢れる、眺めてホッとするような作品の制作を心がけています」

手彫りのためオリジナルは一点しかないが、酒井さんの作品を原形にした量産品が、株式会社MORITAから販売されているそうだ。

今後は、依頼があれば何でも彫ってみたいという酒井さん。それにより、新しい世界への挑戦を感じているといい、いろいろな動物の仏像も彫ってみたいと意欲を燃やす。

(まいどなニュース特約・平藤 清刀)

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