
「動くスタンプ」
LINEなどのチャットアプリでよく使用されるスタンプ。気軽に送れ、トークを盛り上げてくれる便利なツールです。最近では、静止画像のものばかりでなく、キャラクターが動いてくれるスタンプも人気ですね。
アニメーション作家の安田現象さん(@gensho_yasuda)は、今回そんなスタンプを題材にしたショートムービーを作成。X(旧Twitter)に公開したところ、「欲しい」という声が多数上がり、大きな反響となりました。
よくあるチャットアプリでの会話のワンシーン。一緒に遊びに行ったお相手から「今日はありがとう、楽しかった」とメッセージが送られてきています。それに対し、本人は「また遊ぼう!」とコメント。さらに、「いえーい」という女の子のスタンプを付けました。
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ところが、なんとそのスタンプ、勝手に動き出し、送信者のメッセージの枠を掴み、画面外に投げ捨ててしまいました。「メッセージの送信を取り消しました」と、画面の表示が変化。
さらに、スタンプの女の子は、スマホ画面のタッチスクリーンのところまで出てきて、自ら文字を入力しはじめました。何と打っているのかというと――。
「すきです」
そして、どや顔で「LOVE」とポーズをとるスタンプ。
「え」
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とお相手は驚き、送信者に電話をかけてくるのでした。
摩訶不思議なスタンプ。
送信したコメントやスタンプの内容が勝手に変えられてしまうのは困りものです。
ですが、この人がお相手の「えりりん♪」さんのことを好きだったとすると、スタンプが恋のキューピッド役を務めてくれたとも考えられ、ほっこりした気持ちにもなりますね。
Xのリプ欄にも、たくさんのコメントが寄せられました。
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「めちゃ可愛いスタンプ」
「一瞬ホンマに出たんかとw」
「LINEスタンプ出ると言う伏線ですか!?」
「メッセージ送ったときにドヤッてなってるのがかわいい」
「おせっかいキツネめ…」
「告白されて速効電話してくるの相思相愛でとても良き………」
「続きが気になるwww」
なお、今回の動画にスタンプとして登場する女の子は、「ウカちゃん」という安田現象さんのオリジナルキャラクターとのことです。
安田現象さんに今回の作品について、詳しいお話を聞きました。
――本作のアイデアや作ろうと思ったきっかけについて教えてください。
安田現象さん:自分も、LINEを違う相手に送ったり、打ち間違えてしまったりして、焦ることがしょっちゅうあります。スタンプ側が勝手にそういうことをやったらおもしろそうだと思い、ある種の擬人化みたいな発想で作ってみました。
――メッセージのやり取りをしている二人の設定は?
安田現象さん:送信者の男の子が、相手の女の子に想いを寄せていて、ずっと告白する機会を狙いつつも、ずるずるとここまで来てしまった――という状況をイメージしています。
――ウカちゃんは彼らの気持ちを知っているのでしょうか、あるいはただのイタズラ…?
安田現象さん:ウカちゃんは知ったうえでやってます。ばっちりキューピッド役をこなしてくれました。きっと、これまでの間、ずっとやきもきさせられてきたんだろうなって思います。
――ウカちゃん大活躍ですね。
安田現象さん:今まで、(自身の作品で)あまりウカちゃんを活躍させてあげられていなかったので、こういう形で改めて登場してもらいました。元々あった狐の神様設定からくる神秘性とマッチして、とてもいいキャラになったと思います。
――リプ欄には、「こんなLINEスタンプが欲しい」というコメントもありました。
安田現象さん:作中に登場するものとは違いますが、ウカちゃんが登場するLINEスタンプ自体は発売中なのでぜひそちらを使ってもらえると!
◇ ◇
自主制作のショートアニメをSNSを通じて多数発信されている安田現象さん。
今回主役となったウカちゃんのほか、日本人形の「楓」、西洋人形の「カトリーヌ」など、さまざまな可愛らしい“あやかし”が登場し、人気を博しています。
今年1月31日には、それらのキャラクターたちが登場するライトノベル『あやかしアラモード』を角川スニーカー文庫より発売。さらに同日には、自身初の劇場用長編アニメーション『メイクアガール』が公開にもなるなど、精力的な活動を展開されています。
まいどなニュースでは、安田現象さんのショートアニメについて、以前にも取り上げさせていただきました。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・竹中 友一(RinToris))