銃口を向けられた警察官、事件後から続く悪夢 郵便局立てこもり

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2025年05月27日 16:47  毎日新聞

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立てこもり事件が発生した蕨郵便局=蕨市中央5で2025年5月7日午後1時24分、加藤佑輔撮影

 埼玉県蕨市の蕨郵便局で2023年10月に起きた人質立てこもり事件で、殺人未遂などの罪に問われた住所不定、無職、鈴木常雄被告(88)の裁判員裁判の公判が27日、さいたま地裁(佐伯恒治裁判長)であった。事件当時、郵便局に駆けつけた県警の男性警察官が出廷し、「(鈴木被告は)私の方に銃口を向けて発砲した」と緊迫した状況を証言した。


 事件が発生したのは、23年10月31日午後2時15分ごろ。男性は蕨署地域課の巡査部長として署内で勤務していたが、110番通報を受けてパトカーで現場に急行した。


 到着すると、郵便局職員から「あの黒色の洋服を着た男性(が拳銃を持っている)」と声を掛けられ、急いで局内に入った。鈴木被告が右手に拳銃を持っているのを確認すると、「拳銃! 逃げろ!」と声を張り上げ、出口へと走り出した職員2人を防弾盾で守りながら一緒に外へ出た。


 まだ中に取り残された職員らがいたことから、もう一度局内に。慎重に被告に近づくと、振り向いた被告が自分の方へ銃身を向けたのが分かった。それから間もなく、銃口から火花が飛ぶのが見えた。「撃たれた」と覚悟したが、銃弾は郵便局の壁面に着弾。男性は安全確保のため再び外に出たという。


 その後、県警本部の機動隊などが現場に到着。一時局内に取り残された女性職員2人を保護した県警は、事件発生から約8時間後、郵便局に突入し、鈴木被告の身柄を確保して緊急逮捕した。


 事件後、男性警察官は眠る度に「銃口から火花が出る光景が現れる夢」を見るようになったといい、「郵便局員や私の心にダメージを負わせ、数多くの一般市民に迷惑を掛けた。厳重に処罰してほしい」と訴えた。


 裁判は29日に論告求刑公判、6月4日に判決の予定。【加藤佑輔】



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  • 銃らしき物を向けられたら無条件に発報しよろ。犯人の方が先に撃てば怪我するかも知れないし、命を落とすかも知れない。民間人に被害が出るかも知れない。悪いのは犯罪者の方だ。遠慮なくやれ。
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