


さっそく鼻がムズムズしてきました。見ているぶんには可愛いのですが、暮らすなんて悪夢でしかないのです。「ちょっとくらい我慢なさいよ! 本当に可愛い子ネコちゃんなんだから。この子を見ていればきっと鼻水も止まるわよ」「余計に出るに決まってるでしょうが!」

義母は私を無視して、ニコニコしながらケージのドアを開けます。なかには丸い瞳で見上げる子ネコがちょこんと座っていました。「きゃー、可愛い! ねえママ! この子、うちで飼ってもいい?」リツカが無邪気に聞いてきます。確かに、私にアレルギー症状が出なければ可愛いネコなのですが、そこは我慢してもらうしかありません。


義母が知り合いから子ネコを譲り受けてきて、私はビックリしてしまいました。以前から私はネコアレルギーだと話していたのに、どうして義母は譲り受けてきたのでしょうか。
「飼いたい」と騒ぐリツカをなだめながら義母を説得すると、反省したのか「じゃあ他に飼ってくれる人を探す」と言いだしました。なんだか素直すぎて気にはなるのですが……。
とにかくネコが家にいるのは困ります。早く引き取り手が見つかるといいなと思います。
参考:厚生労働省|アレルギー性鼻炎・花粉症
【第2話】へ続く。
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