
Xユーザーの黒猫Yoちゃん(3にゃん)さん(@Yochan2983)が出会ったのは、店の周囲をうろつく1匹の黒猫です。名前はYoちゃん。当時、生後約2カ月だったその子猫は、飼い主さんの心にそっと入り込み、やがてかけがえのない家族になりました。お迎えから6年、今では笑顔と縁を運ぶ存在となっています。
運命の黒猫が現れた日、踏み切った決心
埼玉で精肉店を営む飼い主さんの元に、ある日ふと現れた1匹の黒猫。店の周囲をうろつき、たまに姿を見せてはすぐに室外機の下へ隠れてしまう様子が印象に残りました。
「なんだろうなぁ?って気になったんです。スズメにあげていた残飯を食べに来ていたみたいでした」
その頃、飼い主さんは愛犬のコーギーを亡くしたばかり。「もう動物は飼わない」と決めたばかりのタイミングだったのです。
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「ケージとかも全部処分したばかりだったんです。でも気になって、近所の人やお客さんに『黒猫いるんですけど、誰か飼いませんか?』って聞いて回ったんですけど、引き取り手が見つからなくて。1週間くらい、階段の下とかに隠れてました」
好奇心旺盛で店内にも入ってくるその子は、触ったり抱っこしたりできるほどの距離感になっていました。
「気づいたら私も気になっちゃって、何度も階段下りては探して撫でたりしてました。もう、そこまで来たら手放せませんよね。店の前は道路だし、近くに踏切もあるし、危ないと思って家に迎えることにしたのです」
初めての猫育て、試行錯誤の毎日
猫と暮らすのは初めてだった飼い主さん。戸惑いながらもすぐに準備を始めることになりました。
「その日のうちにキャリーケースやトイレ、フード、食器などを息子に頼んで買いに行かせました」
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名前の由来についても、印象的なエピソードがありました。
「当時『ぴったんこカン・カン』で俳優・タレントとして活躍する大泉洋さんが福山雅治さんのモノマネをしてて、『洋ちゃんがさ〜』って言ってたのが我が家のマイブームで。それですぐに名前が決まりました。他の子たちも全部、その番組からつけてるんですよ」
飼い主さんの毎日は、次第ににぎやかさが増していきました。
「チョロチョロ動く、小さくてフワフワの黒猫。暇さえあれば見に行ったり、抱っこしたり。もう、メロメロでしたね」
しかし、初めての猫との暮らしには、戸惑いや失敗もつきものだったそうです。
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「トイレの砂を全部新しくしちゃったとき、Yoちゃんが『なんか違う…?』ってウロウロしてて。慌てて抜け毛を集めて砂に混ぜたら、ようやく落ち着いてくれて。あのときは本当に焦ったのを覚えています。初心者丸出しの失敗ばかりでした」
毎日がアップデート!いたずら天才少女の素顔
一緒に暮らす中で、Yoちゃんの性格も少しずつだんだんと見えてきました。
「Yoちゃんは、うちでいちばんのイタズラっ子です。興味津々だけど、慎重でビビりなところもあります。残飯食べに来てたのに、今は食の好みにうるさくて、オヤツも好き嫌いあるんですよ」
そんなYoちゃんには、意外な一面もあります。
「お客さんが来るとカーテンの裏に隠れて。でもフックが大好きで、すぐ外して持っていっちゃうんです。その様子が動物番組に取り上げられたこともあるんですよ」
飼い主さんは日々、工夫を重ねています。
「毎日フックを外されて直すのが面倒で、ぬいぐるみをカーテンレールに置いたり、結束バンドで縛ったりして対策しています。とにかく一度気になるとずっとやるタイプで、最近では時計の針を曲げたり、壁のデコシールを徹底的に剥がしたり…本当にすごいんです」
笑顔と福を届けるYoちゃんとの現在
Yoちゃんは現在6歳。その存在が、飼い主さんとお店にもたらした影響はとても大きなものでした。以前は気持ちが沈みがちだった飼い主さんですが、次第に笑顔を取り戻していったといいます。
「以前は私、よく泣いてばかりで落ち込んでたんですが、お客さんから『あんなに泣いてたのに明るくなったね!』って言われるようになりました」
店内の雰囲気にも変化がありました。猫グッズが並び、自然と会話もYoちゃんの話題で弾むようになったそうです。
「店の中は気づけば猫グッズだらけになってて、お客さんともよくYoちゃんの話をします。その頃からXも始めて、投稿するのが楽しくなりました。猫つながりで来てくれる人も増えて、にぎやかになりましたね」
暮らしの中心になったYoちゃん。飼い主さんにとって、特別な存在であることは言うまでもありません。
「Yoちゃんは、福を運んできてくれた子です。そのあと2匹をお迎えしたんですが、今ではみんな猫を中心に集まってます」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)