トランプ米大統領=5月8日、ワシントン(AFP時事) 【ニューヨーク時事】米金融市場で「TACO(タコ)」という造語が流行している。Trump Always Chickens Out(トランプ米大統領はいつもびびってやめる)の略語だ。トランプ氏は厳しい高関税を課すと宣言しても、株式・国債・ドルが一斉に売られるトリプル安に見舞われて撤回するなど二転三転。通商政策が思い通りにいかない状況を皮肉っている。
TACOは、英紙フィナンシャル・タイムズの記者が先月の記事で言及して広まった。最近では新たな高関税政策が発表されても、市場は「朝令暮改」を予想。いったん株価が下落した後にトランプ氏が尻込みし、株価が回復する現象を「TACOトレード」と記事は表現した。
トランプ氏は先月28日、ホワイトハウスで記者団からTACOトレードについて問われると「二度と言うな。意地の悪い質問だ」と不満をあらわにした。中国への追加関税を大幅に引き下げたり、欧州連合(EU)に対する50%の関税発動を延期したりしたが、「これが交渉というものだ。まず先に数字を提示するのだ」と反論した。