来場者でにぎわう大阪・関西万博=5月21日、大阪市此花区(AFP時事) 大阪・関西万博で、日本国際博覧会協会が発行する関係者入場証(AD証)の所有者が、開場前に店舗前で待機し、限定販売される人気商品を一般客より有利に購入していたことが5日、分かった。協会も問題を認識しており、AD証所有者らに対し、一般来場客を優先するよう注意喚起している。
AD証は、協会職員や運営を担うスタッフ、メディア関係者らに交付されている。
5月21日、部屋着ブランド「ジェラートピケ」と万博公式キャラクター「ミャクミャク」のコラボ雑貨が発売されたが、当日分がすぐに完売。フリーマーケットアプリ上では、販売価格3960円の「エアリーモコミャクミャクチャーム」が、約9倍の3万5000円で購入されていた。
翌22日に万博会場内の店舗を取材したところ、開場前の午前8時45分には、すでに首からAD証を提げた複数人が店舗前で待機しているのを確認。店舗スタッフが立ち去るよう指示したが、入場ゲートから店舗に走って来る一般来場客に紛れて整理券配布列に並び、商品を買う姿を目撃した。
商品を購入した50代女性は取材に対し、会場内の飲食店で勤務するAD証所有者と認めた上で、開場前に待機していた点について「だめだと言われてない、みんながやってる。スタッフとして採用する時の規定に書いておいてほしかった」と話した。
協会は4月中旬、一般入場前に店舗に並ばないことや、AD証所有者の店舗での購入は午前9時15分以降とすることをメールなどで各パビリオンや店舗の代表者らに通知。5月からは追加対策として、協会職員が店舗周辺でAD証所有者に直接声掛けを実施しているとしているが、取材当日は確認できなかった。

フリーマーケットアプリで売買される大阪・関西万博の会場で限定販売された部屋着ブランド「ジェラートピケ」とミャクミャクのコラボ商品(スクリーンショット)