
親の意見の前に自分の気持ちを後回しにされた経験は、多くの人が持っているのではないでしょうか。漫画家の吉谷光平さんがX(旧Twitter)に投稿している作品【親に『あなたのため』と言われて育った子の話】では、リアルな親子のやり取りが描かれています。
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また同作は、漫画『今どきの若いモンは』にて、主人公の麦田歩が勤める企業「三ツ橋商事」への就職を希望する大学生・佐藤リリカの小学生時代の回想でもあります。
近所の団地の子どもが集まる小学校に通うリリカ。少しおとなしい性格だったものの、明るくお転婆な友人・セーラと仲良くなることで、毎日騒がしい小学校生活を送っていました。
そんななか、親に中学受験を勧められ戸惑ったリリカは、セーラと一緒の公立中学校に進学したいという思いを、進学志向の強い母に勇気を絞って伝えます。しかし母に押し切られる形で、私立中学へ通うことになったリリカは、ここで一旦セーラとの友好関係が途絶えてしまうのでした。
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その後、学校生活を送るにつれ、リリカは楽しかった小学校時代の記憶は薄れていき、学習環境が充実している私立への進学を提案してくれた両親が正しかったと思いはじめます。リリカはセーラとの楽しい思い出に蓋をして、進学先でも優等生となり、卒業後の志望大学の判定はA評価を獲得するなど、順風満帆に見えた学校生活を送るのでした。
しかし、大学受験ではうまく結果を出せず、第1志望と第2志望の大学には落ちてしまいます。徐々に生きづらさを感じ始めるリリカは、その後どうなっていくのでしょうか。そして小学校時代に離ればなれになってしまったセーラと再会することはあるのでしょうか。同作について作者の吉谷光平さんに話を聞きました。
一見「毒親」にも見えるエピソード 作者の真意は?
ーこの話を書こうと思ったきっかけを教えてください。
以前から「今の若い子は生きづらいな」と感じていました。そんな話を描いてみたいと思ったのがきっかけですね。
ー確かに子供の意見を聞いているかのように見えて、親が誘導している描写がとても印象的でした。実際に同作で描かれたような話を見たり聞いたりしたことはありますか?
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こういう話はよくあると思います。「毒親」というコメントも多かったのですが、ほとんどの親は、なにかしらこのストーリーに近いことをやっていると思います。
ーこのストーリーで伝えたかったことはどんなことでしょうか?また、この後はどのような展開になっていくのでしょうか。
子供は親の些細な表情をよく見ているということですかね。後は、一見毒親のようにも見えますが、親は子供のためを思って言っている。ということを描きたかったです。この後のストーリーですべて印象が変わると思うので楽しみにしてもらえたら嬉しいです。
(海川 まこと/漫画収集家)
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