



妻のナツミは2人きりで会っていることを心配しているようだった。けれど俺は彼女をあんな不自由な身体にさせてしまったことが申し訳なくてたまらないのだ。何も気軽に会ってるわけじゃない。話題を変えるように、明るく家族を外食に誘った。


これは俺にとって「罪滅ぼし」なのだ。ナツミなら大丈夫、絶対に分かってくれるはずだ。だってナツミは結婚するとき言ったのだ。「私もケンの背負っているもの、一緒に背負うよ」と……。それ以来、羽田キホからはよく連絡が来るようになった。





あのとき一生残るような傷を負わせたのは俺だし、気が済むまで付き合おう。彼女は身体が不自由になってしまったことが原因で思うような生活ができていないのだ。それをサポートしてあげるのも俺の務めだと思っている。
そこに恋愛感情は一切ない。それは神に誓って断言できる。なのになぜかナツミは俺と彼女が2人きりで会うことを心配しているようだ。彼女との外出が何回か続いたとき、ナツミに「さすがに多すぎ」と言われ、俺はカチンときてしまった。
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【第8話】へ続く。
原案・ママスタ 脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子