【クラブワールドカップ】「とんでもなく疲れた...」インテルの選手たちが語る浦和レッズ戦

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2025年06月24日 18:20  webスポルティーバ

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 クラブワールドカップ、浦和レッズ対インテル。浦和の先制で幕を上げた試合だったが、最後にはインテルが逆転勝利を収め、浦和の大会からの敗退が決まった。インテルの選手たちはそんな浦和をどう見たのか。

 真っ先に浦和について語ってくれたのは、ブラジル人DFのカルロス・アウグストだ。

「浦和はわれわれを困難に陥れた。彼らのゴールが決まったのが早すぎて、前半のインテルはなかなか起き上がることができなかった。時間はわれわれに味方していない、と感じた。浦和は偶然この大会に出たのではなく、それに値するチームだった。インテルはこの試合、絶対に落とせなかったので、本当に冷や汗をかいたよ。

 今日はラウタロ(・マルティネス)の存在がその差を見せた。彼はどんな瞬間でもインテルの勝利を信じており、われわれはその後についていった。彼はキャプテンであり、リーダーであり、何より本当に優れた選手だ。チームメイトは彼を見るだけで、自信を取り戻す。浦和のDFはわれわれのアグレッシブな攻撃に耐えきれなかった。とにかくわれわれはできることをした。最後まで勝利を信じていた。たぶんこの試合は、より勝利を強く信じていたほうが勝ったのだと思う」

 試合にフル出場したベテランのDFマッテオ・ダルミアンは非常に疲れた試合だったとの感想を残した。

「試合を戦って、今、とても疲れている。このとんでもない疲労をもたらしたのが浦和だ。この試合はもっと落ち着いて戦えるものだと思っていた。だが、実際は初戦(モンテレイ戦)よりもずっと難しい試合だった。開始から1時間ちょっとは本当に苦しかった。われわれのほうがボールを持っていたというのに、3ポイントを勝ち取るのは本当に大変だったし、何が何でも勝ちたいという浦和の気迫はすごかった。彼らはいいチームだよ。今日はもうとにかくゆっくりしたい。彼らはとんでもないエネルギーを絞り出していた。インテルは確かに実力では上だった。でも浦和のおかげで、この勝利はより価値のあるものとなった」

【「こんなところで敗退してはいられない」】

 後半途中から入ったDFアレッサンドロ・バストーニもこの勝利はうれしかったようだ。

「タイムアップの笛が鳴った時、僕はラウタロに向かってこう言ったんだ。『肩の上にのしかかっていた大きな岩を取り除いたみたいだ』と。この試合は、これまで戦ったなかでも特に難しい部類に入る。その理由は、まずはこれほど早く失点するとは予想していなかったこと、第二に本当にハードな戦いだったこと、第三に幸運の女神があまりインテルに味方してくれていなかったことだ。

 結果は試合の内容を反映していないと思う。われわれは完全に試合を制していた。彼らには2回か3回のチャンスがあっただけだ。しかし今日、われわれのシュートはゴールに入りたがっていないようだった。もちろんそれは浦和の奮闘のせいでもあり、われわれを苦しめたことには拍手を送る。われわれに汗をかかせ、走らせ、困らせた。つまり今日、インテルはひとつの障害を乗り越えた。予想していなかった障害だ。浦和はいいプレーをしたし、何人か危険な選手もいた。でもインテルはこんなところで敗退してはいられない」

 最後にキャプテンのラウタロ・マルティネス。彼とは個人的には話せなかったが、共同の会見ではこんなことを言っていた。

「ヨーロッパ以外のチームと対戦する試合はみんなこんな感じだ。僕は南米出身だからわかる。とにかく彼らは全身全霊で向かってくる。だから僕たちもそれに誇りを持って対峙しないといけない。だが、謙虚さと苦しむことも同時に受け入れないといけないね。この試合でインテルにはまだまだ改善の余地があることがわかった。時には汚いプレーをすることも必要になる。こういう短期決戦ではえてしてそれが勝敗を分けるんだ」

 一方、浦和のマチェイ・スコルジャ監督はこの日の試合を振り返り、「われわれが犯した間違いは少なかったが、大きかった。このミスがインテルに勝利をもたらした。ただ60分間は、世界は勝っている浦和を見た。インテルを苦しめるいいチームと思ったことだろう」と語っている。

【浦和に欠けていた戦略】

 筆者は日本のサッカーを30年以上追っているが、日本のチームが世界の舞台で、強豪と言われるチームと対等に戦おうとしていた姿勢には素直に感動した。昔ならば考えられないことだろう。しかし同時に、監督の采配には首を傾げた。監督は本当に自分のチームを理解しているのだろうか? と。ボタフォゴ(今大会、グループリーグを2位通過)は日本のチームよりずっと資金が少ないが、それでも自分のチームというものがわかっている監督がいる。

 試合後、サミュエル・グスタフソンなど英語ができる選手3人に話を聞いたが、彼らは口をそろえて「われわれは死力を尽くして戦ったが、最後はやはりインテルのほうが上だった。われわれにはどうしようもなかった」と言う。それはわかっている。では聞きたい。なぜインテルのほうが上だとわかっていながら、対等な戦い方をしたのか?

 インテル戦も、浦和は初戦同様、守備を固めていなかった。いいところまではいくのだ。リーベル戦では2−1と差を詰め、2−2にできそうになったのに3−1で負けた。インテル戦では1−0とリードしていたのに、1−2で負けた。これは何を意味するのか。ゴールをする力はある。しかし守りきる力がない。点を取る力がないなら仕方がない。しかしそれはあるのだ。それでも最後には負けるのは、やはり大きな国際大会での戦い方がわかっていないのではないかと思ってしまう。

 もし監督が本当にチームをわかっていたなら、最初の2試合でこれほど攻め上がらない。3戦目はグループで一番弱いモンテレイだ。サッカーをわかっている人間なら、初めの2試合では引き分けを目指し、3試合目で勝利を狙う。リーベルやインテルと同等にやり合おうとは思わない。

 浦和には戦略というものがなかった。本当に勝ち上がりたいのなら、戦略は不可欠だ。サッカーは足だけでプレーするものではない、頭でもプレーするものだ。いいプレーも見せたし、果敢に強豪に立ち向かってもいた。しかし次には進めない。これはプロの戦い方ではない。インテルとリーベルは強い。その両チームからゴールを奪う力はあるのだ。

 最後にもうひとつ、これはピッチの外の話だが、がっかりさせられたのは浦和の広報のあり方だ。浦和の通訳は、日本の選手の言葉を海外の記者にほとんど訳してくれなかった。日本人しか相手にしていなかった。しかしこれは国内リーグではない。国際大会だ。少なくともインテルの選手は日本人の記者の質問に答えていた。海外メディアは日本人の選手には興味ないとでも思っているのだろうか。これでは海外の人間はいつまでたっても日本のサッカーを理解できないままだろう。

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