中古車販売業、倒産ペース加速 相次ぐ信用トラブルで消費者の目厳しく

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2025年06月26日 07:21  ITmedia ビジネスオンライン

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東京商工リサーチは「中古車販売店」の倒産についての調査を行った(ゲッティイメージズ)

 東京商工リサーチの調査によると、「中古車販売店」の倒産が2025年1〜5月に48件に達し、上半期としては過去10年間で最多のペースとなっていることが分かった。


【画像】中古自動車小売業の倒産 上半期推移


 中古車販売店の関係者は「2023年に表面化したビッグモーター(現:BALM)の不正事件以降、業界全体の風向きが変わった」と語る。2023年6月に公表されたビッグモーターの特別調査委員会による報告書では、最大手による保険金不正請求などの問題が明らかになり、大きなニュースとなった。


 その後も、他の販売店による不正な保険金請求が次々に判明し、業界の信用は大きく低下した。例えば、カートップ(東京都板橋区)は、SNS上で「売却代金が支払われない」といった書き込みが相次ぎ、2025年5月19日までに事業を停止。破産手続きを弁護士に一任している。


 同時期には「CARNEL(カーネル)」を運営するWOOROM.(東京都港区)に対して、「支払いは済んだのに納車されない」「返金にも応じない」といったトラブルが浮上。東京商工リサーチが周辺を取材したところ、インターフォンに応答はなく、事業再開の様子も確認できなかったという。


 背景には、新車の納期遅れや価格上昇がある。半導体不足などの影響で新車の納車に数カ月から1年以上かかることもあり、中古車市場の価格が上昇していた。だが最近は新車の生産が回復しつつあるほか、カーシェアやレンタル需要の拡大もあり、高額な中古車に対してユーザーの目は一段と厳しくなっている。


 中古車販売店は車両の「買取」も担っているため、消費者にとっては「売却代金の後払い」や「購入代金の前払い」など、販売店の信用力が重要となる。東京商工リサーチは「実質賃金が前年同月比で4カ月連続のマイナス(4月は1.8%減)となるなか、提示金額だけを売りにする販売業者に対する視線は、ますます厳しくなっている」と指摘する。



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