
車に貼られた「家に猫がいます」というステッカーについて、「どうでもいい情報」と、茶化すようなポストがX(旧Twitter)で話題になった。
元投稿は削除されているが、猫の保護活動を行うjun(@okotamaru)さんが、「どうでもいい情報ではない」と、ステッカーの本当の意味についてポストした。
「どうでもいい情報ではない。自分が事故などで帰宅できない状況になった時、自分は猫を飼っている、家に猫が残されている……それを知らせているステッカーです。もっと広まればいいのにな」
<junさんのXの投稿より>
|
|
とてつもなく重要なステッカーだった!
junさんの投稿に対して、「えー!そうだったのか!『私は猫飼いである』と宣言してるだけだと思ってた」といった、初めてステッカーの真意を知った人たちからのコメントが殺到した。
「すみません。私も『クスッ』と笑うシールなのかと思っていました」
「恥ずかしながら知りませんでした。なるほど、とてつもなく重要なステッカー!だって何かあった時に家で待ってる子のことを思うだけで胸が張り裂けそうになるもの」
「半年入院してたことのある私にとっては他人事じゃありません」
「うちもつけなきゃ、『家に犬がいます』って」
|
|
もし飼い主が出先で「事故」や「災害」に遭ったら…
junさんにお話を聞いたところ、「家に猫がいます」というステッカーは当初、「玄関」に貼るのが主流だったそうだ。
「ステッカーの起源は不明なのですが、外出中の飼い主が事故などで救急搬送されたり、何らかの事情で帰宅が出来なくなった際、家の中に猫が残されていることを外部に知らせるためのものでした。宅配などの対応で玄関を開けた時に、猫が脱走するのを防ぐための注意喚起の意味もあります。私の知人は、『家に○頭の猫がいます』と、頭数と被毛の柄を記したステッカーを玄関に貼っていました。そこから、事故や災害など、万が一を考えて、玄関だけでなく、車にも貼るようになっていったと思います」(junさん)
亡き飼い主が生前に準備した「愛猫」の未来
実際、病気や事故、災害などによって飼い主が入院、もしくは他界し、ひとり家に取り残されたり行き場を失ってしまう猫や犬は少なくない。
「以前、末期癌で余命僅かな飼い主さんから、飼い猫が1匹いるがどうしたらいいか…という相談を受けました。ちょうどペットシッターをしているボランティア仲間もその場にいたのですが、私たちも駆け付けられないような緊急事態が起きた時のために、『家に猫がいますステッカー』を貼ることをおすすめしました。
残念ながら飼い主さんは旅立たれてしまいましたが、その方の愛猫は取り残されることなく、某団体さんのもとで幸せに暮らしています。飼い主さんが愛猫のためを思って事前に動いた結果だと思います」(junさん)
|
|
「その後」を考えておくことも飼い主の責任
junさんの投稿に対して、「私も車に貼ってます」「うちは玄関にこれ貼ってる」「私はスマホに記してます」といったリプライも多く寄せられた。
また、ステッカー以外にも、「家に猫がいます」と書かれたTシャツを着用したり、「家に猫がいます」のカード版や、「かかりつけの動物病院の手帳」をバッグや財布に入れて持ち歩いている、という方も見受けられた。
「みなさんいろいろ工夫をされていて、とても参考になります。ただ、ステッカーやカードで外部に知らせることが出来ても、その後の行き場がなくなる可能性があることも考えておいてほしいです。
実際、飼い主が亡くなったり、施設に入ったなどの理由で、身内にも保護してもらえず、遺棄されてしまう猫も少なくありません。大事な愛猫がそんなことにならないためにも、自分や家族にもしものことがあった時に保護してもらえる行き先……身内や友人・知人、保護してもらえる団体さんなどをあらかじめ探しておいてあげるのが、飼い主としての責任ではないかと思っています」(junさん)
大切な家族の一員だから
飼い主が「もしもの状況」になった時、残された「猫」や「犬」たちの命を引き継ぐ際の「大切な情報」を飼い主自身が記す、「母子手帳」のようなハンドブックも販売されている。
大切な家族の一員の命と安全を守るため、万が一の時のことを考えておくのは飼い主の愛と責任だ。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ リュウ)