
「探していた怪奇小説傑作選が出て来た!」
天井にも届かんばかりに乱立する「本の塔」の中から無事、探していた本を見つけ出したことを報告するポストが「X」に投稿されました。
「真ん中の一番高い山が崩れないのは不思議です。」
「カーテン前の書物尖塔、微妙なバランスを保ちながら聳える絶景が素晴らしきですね」
「奥の方、絶妙なバランスを保ってるんでしょうね…。さわるのに勇気がいりそうな斜めっぷり」
「買い直さずに探し出したのエライ。」
果敢に本の山に挑んだ投稿主を称える声が届いています。
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投稿主のお名まえは「Asylum Piece」(@empirestar)さんといいます。Asylum Pieceさんは約2年前にお父さんを亡くし、大量の蔵書を受け継ぎました。その蔵書を整理、一部処分し自宅に引き取ったものの、実家を改装して住むことになったため自身の蔵書とお父さんの蔵書をあわせて、最終的に段ボール約50箱分の本を実家に送ったといいます。
現在は「書庫部=海外文学、SF、ホラー、小説」「書斎と居住空間の本棚=漫画、新書、ビジネス、専門書」に本を「棲み分け」させることを目指し、前述の段ボール箱や積み上げている本の中から目当てての本を「発掘」し、それぞれの場所におさめていく…という作業を続けているのだそう。
「探していた怪奇小説傑作選が出て来た!」のは「黒まるで囲ったサカイ箱」だったというAsylum Pieceさん。かなり下の「地層」ですが、よくぞ見つけ出しましたね!どうやって探し当てたのか、くわしい話をお聞きしました。
「カンを頼りに」
何よりもまず、この蔵書の中からどうやって「探していた怪奇小説傑作選」を見つけだしたのでしょうか。
「カンを頼りに探しておりました。開けていない箱の中を見ながら、たぶんこのあたりにありそうだ、という感じはあったのですが、結果として本を整理しながら、偶然見つけたという感じではありました」と答えるAsylum Pieceさん。本好きのカンは当たりますね…!
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時間はどのくらいかかったのでしょうか。「(たぶんこのあたりだと)気が付いてから、大体2か月ぐらいかかっていると思います」とのこと。
膨大な蔵書を整理していくことについて「必要な本を一度、別の場所(自宅)に移動して整理した後、再び実家に戻しましたので最盛期に比べたらずいぶん楽にはなってきましたが、それでもまだまだ本があるため、大変な作業でした」というAsylum Pieceさん。
さらに「賽の河原の石つみ状態になっていて、積みなおして、必要な本を見つけるという状況でした。積みなおした本が時折、本雪崩を起こすので、一から積みなおしをしたり、という感じではありました」とふり返り、編集部あてに「最盛期はさらに酷かったので、写真添付します」というメッセージととともに、ほとんど人ひとりが立てるスペースしか残ってないほど本で埋まった部屋の写真を送ってきてくれました。
理想の「書庫」完成の日は
なお、目安としてどのくらいまでにイメージしている「書庫」の状態にもって行こう、と考えているかをお聞きすると「趣味の本を書庫にもっていく作業は、今年度中に行いたいと思っています。結構、移動して、全集などは引き上げて書庫に置いています。書庫もすでに大量の本に埋もれていて、書籍が出版される限りは完成しないものなのですが、極力整理して読めるようにしていきたいと思っています」(Asylum Pieceさん)という答えが返ってきました。ぜひ年内に趣味の本の移動が完了するよう、かげながら応援したいですね。
(まいどなニュース特約・山本 明)
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