
そこでパナソニックでは、救命医療の最前線で活躍した救命医の三宅康史氏を招き、エオリア「熱中症対策」セミナーを開催。セミナーの内容から、最新エアコン「エオリア」の特徴、熱中症対策を紹介します。
体が熱を放出できなくなると熱中症になる

三宅氏によれば、そもそも熱中症とは体内で発生した熱をうまく逃がせなくなった状態のことだといいます。また、2012年から2020年までの9年間において、病院にかかった熱中症患者が多いのが7月下旬から8月上旬。さらに熱中症で亡くなった人が多いのもこの時期だといいます。
6月から熱中症の来院数が増えますが、早い時期に発生する梅雨型熱中症は重症者が少なく、7月以降は急激に増える傾向にあるとのことです。

「梅雨型熱中症は気温はあまり高くないが湿度が高い、蒸し暑い状況で起きやすい。じっとしている人はなりにくいのですが、スポーツなどをしていて熱を出しているのに湿度が高くて汗が乾かない状況などで起きやすいのです。
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もう1つ問題なのが、高齢者が熱中症になると、重症化しやすいということ。スポーツや肉体労働などをしている際に陥る「労作性熱中症」の場合は、比較的命に関わることは少なく、その日のうちに治ることが多いとされています。
一方で、日常生活を過ごす中で熱中症になる「非労作性熱中症」は高齢者が発症することが多いため、持病などもあり重症化しやすいとのことです。
「高齢者が徐々に熱中症になるのが一番多く、これは梅雨が明けた以降の真夏になりやすいです。高齢者同士で住んでいると、暑さを敏感に感じなかったり、エアコンはあるんだけれども使われてなかった、ということがよくあります」(三宅氏)
熱中症の応急処置は?
続いて三宅氏は、熱中症が発生したときの応急処置について解説しました。
環境省が出している「熱中症環境保健マニュアル2022」によれば、チェックポイントは4つあるとのこと。
1. まず“熱中症”ではないかと疑う
2. 声をかける
3. 水分を取ってもらう
4. しばらく見守って回復を確認する
このときに大切なのが、水分を自分で飲んでもらうことだといいます。それは本人の意識がしっかりしているか確認するためでもありますが、同時に誤飲や窒息を防ぐためでもあるとのこと。
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セミナーでは応急処置の実演も行われました。暑い環境で体調不良の人を見かけたら、熱中症を疑い「大丈夫ですか」と声をかけ、意識がしっかりしているか確認。このとき、周辺にいる人に声をかけて手伝ってもらうなど、一人で対応しないことが大切だといいます。
続いて行うのが冷却処理。コンビニなどで氷を買ってきて、タオルなどに巻いて頭を冷やしたり、手足を濡らしたタオルなどで冷やすのも効果的だということです。可能なら日陰や日が当たらない場所、エアコンの効いた室内や車の中に移動して体を冷やしましょう。
そして水分補給を促しつつ、20分ほど経過観察を行うとよいそうです。

最新「エオリア」ならつけっぱなし運転にも対応

最後に、パナソニックの最新エアコン「エオリア」が紹介されました。Xシリーズの2025年モデルは、「10年使うものだから省エネも清潔も」というコンセプトで開発されています。
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そこで2025年モデルでは13年ぶりにエアコンの心臓部であるコンプレッサーを新開発。新しい「エコロータリーコンプレッサー」では、冷媒を圧縮するピストンとベーンを連結し隙間が生じない構造にすることで、低速回転時の圧縮効率の向上を実現。
冷房運転時の最小出力を従来モデルより約40%削減でき、より小さなパワーで設定温度をキープすることで、消費電力の削減を可能にしています。

こだわったポイントのもう1つが「清潔」です。長時間運転することで発生しやすいカビを抑制するために、エオリアでは「nanoeX内部クリーン」機能を搭載。nanoeXをたっぷり含んだ風でエアコン内部を乾燥させたあと、さらに加熱乾燥を行い、最後にまたnanoeXを充満させた風でしっかり乾燥させる仕組みとなっています。
これにより、この機能を使っていない場合と比べてカビ菌を約99%除菌できるのです。

さらに2025年モデルのエオリアでは、新機能として「集中おそうじ」機能を搭載。フィルター掃除や熱交換器の洗浄、そして「nanoeX内部クリーン」機能が1ボタンで利用できるため、常に清潔を保てるというわけです。
なお、冷房をつけっぱなしで運転をするとその間、エアコンの内部クリーン運転が働かないため、短期間でカビが発生してしまうことがあるといいます。1日に1時間はオフにして、内部クリーン運転を行うのが重要だということなので、注意するとよさそうです。
(文:コヤマ タカヒロ(デジタル・白物家電ガイド))