ブラジル訪問中の佳子さまに代わり紀子さまが恒例行事に、家族で分担して行った公的活動の“行く末”

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2025年07月13日 21:00  週刊女性PRIME

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佳子さま

《訪問全体を通して、ブラジルの多様な魅力と両国の関係の深さを改めて感じました。(中略)ブラジルでの出会いや出来事はどれも大切なものであり、これからも何度も思い返し、心の中で深まり続けることと思います。

 それぞれの訪問先で、多くの方々が心をこめて準備してくださいました。お迎えくださった方々、訪問のために力を尽くしてくださり、心を寄せてくださった方々に、改めまして、心から感謝を申し上げます。

 そして、この度の、外交関係樹立130周年、『日本ブラジル友好交流年』を契機として、より幅広く、様々な形で、両国の友好関係が一層深まることを願うとともに、日本とブラジルがこれからも大切な友人として寄り添い続ける未来を思い描いております》

6月17日に帰国された佳子さま

 ブラジル公式訪問を終えた秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまは、6月17日に帰国した。翌18日には、皇居にある宮中三殿の一つ、賢所を参拝し、公式訪問を無事に終えたことを報告した。佳子さまはこの日午前、半蔵門から皇居に入り、賢所を訪れた。賢所には、天皇の先祖とされる天照大御神が祭られている。

 そして、6月25日、宮内庁は、冒頭のようなブラジル公式訪問を終えた佳子さまの「ご印象」を発表した。

《経済的に困難な状況にある女性の収入につながる取組や、環境に優しい取組、地域の独自性を活かした取組について伺ったり、そのような取組によって作られた作品を紹介していただいたりする機会がありました。

 また、『ブラジル政府主催日伯外交関係樹立130周年記念午餐会』で室内楽を演奏していたのは、経済的に困難な状況にある子どもたちが音楽を学ぶプログラムを経て音楽家となった方々でした。これらの取組の重要性とともに、ご紹介いただいた作品やお聞きした音楽の魅力を感じました》

「ご印象」の中では、このようにも触れている。経済的に困難な女性や子どもたちなど、ブラジル社会の弱者に寄せる佳子さまの温かな眼差しに、特に、私は感動した。

 佳子さまは、最大都市サンパウロや首都ブラジリア、リオデジャネイロなど8都市を巡り、日系人の方々やブラジルの人たちと、とびっきりの笑顔と思いやりの心で交流し、訪問先で大歓迎を受けた。

 そんな中にあって、弱い立場にいる人たちへの共感や思いやりを佳子さまは決して忘れていなかった。こうした優しさも佳子さまの大きな魅力のひとつであろう。

帰国後もお忙しい佳子さま

 帰国した後の佳子さまも大変、忙しかった。6月24日、天皇、皇后両陛下は日本芸術院賞の受賞者や日本芸術院の新しい会員を皇居に招いて、茶会を催した。

 両陛下の長女、愛子さまや秋篠宮ご夫妻、それに佳子さまも出席した。報道によると、愛子さまと佳子さまは、俳優の橋爪功さんや倍賞千恵子さんらと同じテーブルだった。

 佳子さまは、二人に、「映画でご一緒されたことは?」「役を作るうえで大切にされていることはございますか?」などと、笑顔で質問した。また、ブラジルを訪問したばかりの佳子さまに対し、橋爪さんが、「あちこち行かれて大変ですね」と声をかける場面もあったという。

「受賞された皆さまに心からお祝いを申し上げます。この行事には、1993年に開催された第40回贈賞式以来、25年以上にわたり出席いたしました。6年前から、娘の佳子が出席するようになりましたが、今年は開催日が娘のブラジル公式訪問と重なったため、私が出席することになりました」

 6月12日、第72回産経児童出版文化賞の贈賞式が、東京都内で開かれ、秋篠宮妃紀子さまが出席した。この賞は、次世代を担う子どもたちに優れた本を紹介する目的で創設され、今年は、児童向け図書など4176点の中から、大賞など9作品が選ばれている。

 ブラジルを公式訪問中の佳子さまに代わって出席した紀子さまは、心温まる言葉を述べ、受賞作について、小さいころの佳子さまたちの思い出を交えながらこう話した。

「大賞を受けられた大西暢夫さんの写真と文による本『ひき石と24丁のとうふ』。山奥に暮らす90歳を超えたミナさんが、わずかに見える色や形と音、手の感覚や匂いを頼りに豆腐を作る姿を追い、大豆が豆腐になるまでの様子をさまざまな視点から撮影しています。

 読み終えた後もしばらくその場にいるような余韻が残り、そっとカバーをめくると、静寂な雪景色とミナさんの日々の営みとがつながり、心に染みわたっていきました。
(中略)毎年、産経児童出版文化賞では多様なジャンルの良質な本が選ばれてきました。振り返ると、これらの作品は長年にわたり私と本との豊かなつながりをもたらしてくれました。子どもたちが小さかったころ、受賞した絵本を家で一緒に楽しみ、その内容に驚いたり、感心したり、不思議がったり、新たなことを学んだりして過ごしました。

 子どもが学校へ通うようになってからは、わが子が図書室から借りてきた本が受賞作だったり、ボランティアとして小学校の図書室の書架の整理をしているときに受賞作を見つけ、その本を紹介したりすることもありました」

 6月20日には、衆議院の額賀福志郎議長らが国会内で記者会見を開き、安定した皇位継承や皇族数確保の方策に関する衆参両院正副4議長案の提示見送りを表明している。秋に召集が見込まれる臨時国会での取りまとめを目指す考えを示したが、意見集約の見通しは立っていないとも報道された。

 愛子さまや佳子さまら女性皇族が、結婚後も皇室に残る女性宮家などが議論されているが、配偶者や子を皇族とするべきかなど、政党間で意見の違いがあるようだ。

 現行の皇室典範では、女性皇族は結婚すると皇籍を離脱して一般人となる。このため、公的な活動を担う皇族が次第に減少していくという課題を抱えている。

 ブラジルを訪問中の佳子さまの代わりに、母親の紀子さまが産経児童出版文化賞の贈賞式に出席して挨拶をしたように、夫婦や親子が一緒に同じ仕事をするのではなく、分担しながら活動すれば、より多くの公的活動に取り組めるのではなかろうか。

 秋篠宮家では、こうした単独での仕事が増えているように思う。限られた皇族数の中、より充実した皇室活動を行うための知恵や工夫が、これからは必要になってくる。

<文/江森敬治>

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に2025年4月刊行の『悠仁さま』(講談社)や『秋篠宮』(小学館)など

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