ロッテ・木村優人[撮影=山下拓人] ロッテの木村優人が18時から行われるソフトバンク戦に先発する。
前回登板の2日の楽天戦、「ずっと中継ぎをやってきて、球数の心配は試合が始まる前にはありました。始まってしまえばアドレナリンも出ますし、気合いも入るのでそこに関しては少し余裕もできた。投げていくうちに気合いも強くなっていたので、投げていくうちに良くなっていたかなと思います」と、プロ入り後自己最長の6回2/3、プロ入り後最多の98球を投げ、6被安打、4奪三振、3失点で先発初勝利を手にした。
木村の凄さは、ストレート、変化球、どの球種でもストライクが取れること。「あの試合は自分の持ち味でもあるどの球種でもカウントが取れていましたし、勝負球でも全部使えていたので、そのところがあの登板では良かったのかなと思います」と振り返った。
その中でも、0−0の初回二死走者なしで黒川史陽を三飛に仕留めた1ボール2ストライクから5球目の149キロインコースストレート、6−3の7回一死走者なしで中島大輔を2ストライクから見逃し三振に仕留めた3球目のインコース148キロストレートなど“左打者のインコースのストレート”の制球が素晴らしかった。
「中継ぎの時は真っ直ぐが投げきれなくて、勝負球のフォーク、カットボールが打たれたりしていたので、そこのインコースをしっかり投げ切れることによって、変化球も活きてくるので、あのボールをしっかり投げ切ることができれば、自分の変化球も活きてくる。そこが良かったかなと思います」。
初めて、6回以降も投げたが、5回を投げ終わった後、インターバルがある。6回に入るときに難しさや入りが違うなと感じたりしたのだろうかーー。
「少し入りが苦手な部分があるので、ゲームの入りもそうですけど、5回も6回に入ってくる時には初回に入る時と同じくらいの気持ちでマウンドに上がりますし、考えも1回整理しながらマウンドに上がるようにしています」。
前回登板では7回途中まで投げたが、この先、8回、9回を投げたい思いはあったりするのだろうかーー。
「先発としてやっていく中で長いイニングを投げると中継ぎの皆さんの負担が小さくなりますし、自分にとってもプラスにもなるので、イニング数を重ねたいですし、投げるなら長いイニングを投げたいなと思います」。
そのためには、少ない球数で投げていく必要がある。実際に先発する中で1イニングを何球で抑えようなどのプランを立てているのだろうかーー。
「具体的な数字はないですけど、7回で80球くらいで行けたら投球のペースも良くなっていくと思いますし、自分の投球スタイルは球数の多いピッチャーではないので、確率を上げながら、できるだけ少ない球数で長いイニングを投げたいと思います」。
18時からのソフトバンク戦で、プロ入り後3度目の先発マウンドとなる。「前回の試合は自分のペースで投げられたというか、カウント有利で投げられましたし、思い通りの投球が多少はできたので、確率をどんどん上げていけるように。マウンドに上がったらシンプルに考えを持って、考えすぎず相手バッター1人1人投げて行きたいなと思います」。チームが苦しい戦いが続く中で、希望の光となる。
取材・文=岩下雄太