※画像はイメージです 東南アジアの中央に位置するカンボジアが、世界中に被害を与える一大詐欺拠点となっている。
汚職と腐敗政治が蔓延る同国の土壌が、この数年で急激に治安を悪化させ、その矛先は我が国にも向けられている。その現状に迫った。
◆詐欺要員と一緒に出稼ぎ風俗嬢も集められている!
巨額の犯罪収益金を稼ぐカンボジアの園区には、「色」がつきものだ。
カンボジアでは一般的に「下は50ドルから上は900ドルの高級娼婦までいる」(カンボジアで地下銀行を生業とするA)というのが相場のようだが、特殊詐欺拠点での性の荒廃ぶりは目に余るものがあるという。
「大規模園区がいくつもあるシアヌークビルを歩いて驚いたのは、カフェや学校など普通の街にあるものが見当たらないこと。代わりにカジノや風俗、大人のおもちゃ屋は簡単に見つけることができ、KTV(連れ出しできるキャバクラ)の求人広告も堂々と張り出されています。スーパーマーケットにはコンドームが何種類も置かれていて、街には性病クリニックもありました」(中日新聞バンコク支局の藤川大樹記者)
◆“勤勉”な港区女子もいた
性風俗の充実ぶりは、プノンペンにも見られる現象だ。ある捜査関係者は、日本人風俗嬢の出稼ぎを目の当たりにしたこともあったという。
「プノンペンにあるサービスアパートメントの3階から、日本人風俗嬢が飛び降りて逃げようとした事案がありました。ここはアパートメントが一棟借りされた小規模な詐欺の拠点でしたが、女性はほぼ軟禁状態にあり、かなり過酷な暮らしを強いられていたようです。彼女たちは海外出稼ぎで稼げることを謳うSNSアカウント経由で流れ着くパターンが多いと聞きました。興味深かったのは、出稼ぎ嬢で中国語を猛勉強している女性がいたこと。いわゆる港区女子だったという彼女は、特殊詐欺を牛耳る中華マフィアと日本人のかけ子を取り持つ通訳として働くために努力しているらしく、『通訳なら固定給がもらえ、チームが大きく儲かったときはご祝儀にもあやかれる』と話していました。通訳でも犯罪に加担することには変わりないので、危険極まりないと思うのですが……」
いかなる立場であろうと、特殊詐欺グループなどと関わりを持ってはいけない。
取材・文/週刊SPA!編集部 写真/産経新聞社 時事通信社
―[カンボジア[詐欺拠点]の全貌]―