
宮崎県を拠点に、ひとりぼっちになってしまった犬猫を保護し、幸せへと繋ぐ活動をしている団体・咲桃虎(さくもんと)。団体では日常的に保護活動を行いながら、将来的には「犬猫の飼育環境が人間と同じようなものになること」を目指し、啓発・啓蒙運動も熱心に行っています。
そんな団体のもとに、2024年、地元の中学生4人がインターンに訪れました。中学生が保護団体の元を訪れ、保護活動を体験し学ぶという取り組みはまだ日本では珍しい一方、とても有意義な取り組み。ここでその中身を紹介します。
中学生が動物病院、動物保護管理所などを訪問
今回の中学生のインターンは2日間。やってきた中学生4人は皆さん、緊張と期待とが入り混じる表情を浮かべていました。
1日は団体と懇意にしている動物病院と動物保護管理所を訪問。施設の様子や、各所にいる動物たちの状況について学びました。皆さん真っ直ぐな瞳で獣医師や管理所職員の話を聞いていました。
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そして午後からは保護犬のお散歩体験。団体でお世話を受けている保護犬・ごっちゃんは、初めて会う中学生、そして何か普段と様子を前になかなかテンションが上がらない様子でしたが、それも含めて中学生にとっては貴重な体験になったはずです。
中学生が思いを込めて書いた「里親募集」記事
そして2日目は動物愛護センターへ。
中学生にとっては特にヘビーにも感じるであろう保護犬猫を取り巻く厳しい現実にあえて直面しました。「無責任な飼い主さえいなければ、多くの犬猫はここに来ることはなかった」といった職員さんの話を前に、皆複雑な表情を浮かべながら耳を傾けていました。
一方、実際に犬猫と触れ合い動物のかわいさを改めて知る体験も。猫を抱っこしたり、動物愛護センターに収容されているワンコと遊んだり。みんな笑顔で犬猫とのコミュニケーションの楽しさを体験しました。
午後は個別に体験したいものを選んでの別行動。中学生のうち1人はトリミング、あとの3人には「里親募集」の記事の執筆をしてもらいました。
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中学生それぞれに「この子こそ里親さんにつなげたい」と思うワンコを1匹選んでもらった後に、その見た目、性格、犬が好き・人の方が好きといった特徴や個性を執筆してもらいました。
これら中学生が書いた記事は、実際に動物愛護センターでも閲覧できるようにしました。
中学生たちのような動物愛に溢れる人が増えますように
2日間、保護犬にまつわる悲しい現実を学び体験した中学生たち。
保護犬猫にまつわる悲しい現実は、今でこそ様々なメディアで取り上げられるようになったとはいえ、「動物愛護」「動物とともに生きる」といった観点で言えば、日本はまだまだ後進国。さらに多くの保護犬猫が置かれている現実に目を向けなければいけないですし、悲しい思いをする動物が減っていくよう様々な取り組み、実践が必要です。
そういった中で中学生のインターンによるリアルな体験は画期的な試みだと思いました。また、今回の中学生たちの心優しい応対に、当の犬猫が嬉しそうな表情を浮かべていたのも印象的でした。今回インターンを体験した心優しい中学生たちのような、責任感と動物愛の溢れる人たちが増えてくれると良いなとも思いました。
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(まいどなニュース特約・松田 義人)