「えとぴりか」の船上で手を合わせる北方領土の元島民=20日午後(代表撮影) 北方領土の元島民らが船に乗り、洋上から先祖を供養する「洋上慰霊」が20日、始まった。ロシアのウクライナ侵攻による北方四島交流事業の中断を受けた措置で、今年で4年連続となる。
初日のこの日は元島民やその家族ら計46人が参加。午後2時ごろ、国後島の沖合に到着した交流船「えとぴりか」の船上で慰霊式が行われた。択捉島出身で千島歯舞諸島居住者連盟の松本侑三理事長(84)は、島を訪問できない現状を「誠に無念でなりません」と述べ、一日も早い墓参再開を訴えた。2人の孫と参加した歯舞群島出身の福沢英雄さん(85)は「近くに来て、(孫たちは)よりリアルに島のことを感じているのではないか」と話した。
洋上慰霊は、8月にかけて計7回実施される。