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50代を過ぎても、将来の不安におびえず、毎日をイキイキ健康的に過ごしている人にはどんな秘訣があるのか――。そのポイントは「できるだけ老後に対して具体的なイメージを持ち、余計な不安を捨てること」だと指摘するのは、人生を豊かにする50代以降のお金の使い方を論じた『ゼロ活 〜お金を使い切り、豊かに生きる!〜』の著者であるファイナンシャルプランナーの井戸美枝先生です。
50代以降、日々の自分の老後を明確にシミュレーションし、充実した人生を生きるための秘訣をご紹介します。
(本記事は『ゼロ活 〜お金を使い切り、豊かに生きる!〜』より一部を抜粋し、再編集したものです)
◆健康を気にしすぎる必要はない
ゼロ活ライフを楽しむためには、「健康寿命を延ばす」という考え方もありかもしれません。
適度な運動や食事の節制などは、日ごろから意識しておきたいものです。しかし、50〜60代くらいになったら、過度に自分の健康状態を心配しすぎるのは、逆効果ではないかと思っています。
たとえば、あなたは健康診断を積極的に受けていますか? あるいは、あまり受けていないほうでしょうか?
私は50歳を過ぎたころから、歯科検診や眼科検査、血管の状態を調べる検査などの最低限の検査はするものの、健康診断や人間ドックを受けることは控えています。
なぜなら、ある程度の年齢を重ねると、健康診断で新たな病気が見つかったとしてもその情報が必ずしもプラスに働かないからです。
検査で何か異常が見つかると、当然、治療や薬の服用が始まりますが、それが必ずしも人生を豊かにするとは限りません。むしろ、薬や治療で生活に制限がかかりストレスを感じてしまうこともあるでしょう。
また、人間の身体は歳を重ねれば、必ずどこかに問題が出てくるもの。すべての病気や異常を完璧に予防することはできません。病気に怯えて検査を繰り返すよりも、最低限の検査や予防をしながら元気でいられる時間を最大限に楽しむことのほうが大切ではないでしょうか?
もちろん、定期的な健康診断が重要だと感じる人にとっては、それが正しい選択です。ですが、私のように一定の年齢になったら自分の健康のことは過剰に気にせず、気楽に生きていくスタイルを選択する道もあります。年齢を重ねたからこそ、自分自身の心地良さを第一に考えて、前向きに毎日を楽しんでみてほしいと思います。
◆自分の身体の数値の推移を記録する
日々、自分の身体機能の数字の推移を記録してみるのもおすすめです。
自分自身の身体の状態を具体的な数値で客観的に見るのは、なかなかおもしろいものです。
私は、毎日自分の体内年齢をチェックしています。
ほかにも、毎日の歩数や睡眠時間も記録しています。
特に睡眠については、できるだけ7から8時間眠ることを心がけ、夜の外食も極力避けています。若いころとは違い、一度体調を崩すと元に戻すのに時間がかかるからです。
日々の数値を細かく追いかけるのは、ちょっとしたゲーム感覚でもあり、周囲に迷惑をかけない、自分ひとりでひっそり楽しめる趣味のようなものです。
◆「5年日記」で人生を豊かに
人生を豊かにする手段のひとつとして、ぜひおすすめしたいのが「5年日記」です。これはその名のとおり1冊の日記帳に5年分の記録を残すことができる日記。特徴としては、ページが365日分に分かれており、1ページにつき同じ日付で5年分の書き込みスペースが用意されています。
毎日数行程度の短い記録ではありますが、なぜ5年日記がいいかというと1年前の自分の生活や体調、心の変化がはっきり見えるからです。
私は、2025年2月に足首を骨折しましたが、日記をつけてみると、実は2024年の2月にも足を怪我して病院通いをしていました。この日記のおかげで実感したのは、「寒くなる季節は急いだり焦ったりすると怪我をしやすい」ということ。以来、寒い日には特に慎重に行動するようになりましたし、自分の健康管理を見直す、いいきっかけにもなったのです。
また、5年日記には、毎日の体重や体脂肪率、体年齢などの基本情報に加え、ストレッチの時間、歩いた距離、その日の食生活まで詳しく記録しています。この記録を見ていると、「3日間会食が続くと、食べすぎてしまって体重が増える。 でもその後、野菜中心の食生活に切り替えたら体重が戻った」「出張が1週間以上続くタイミングはその後に風邪などを引きやすい。だから、できるだけ前後に休日をはさむと体調を崩さずに済んだ」など、ちょっとした成功体験をメモするのも楽しみのひとつです。
こうして体調に関する具体的な記録をつけると、どんなときにどのような傾向があるのかがすぐにわかります。無意識に繰り返しているパターンを把握することで、次の行動につなげやすくなります。また、日常の些細な変化に気づき、忘れていた興味や楽しみを思い出すきっかけにもなるでしょう。
自分自身の変化をしっかり把握し、より健康的で充実した毎日を送るためにも、ぜひ「5年日記」を始めてみませんか? きっと新しい発見と楽しみが見つかりますよ。
◆高齢者ボランティアで理想の老後をイメージ
自分の老後の暮らしを具体的にイメージできますか?
もし、具体的なイメージが描けないという方は、高齢者施設でのボランティアをおすすめします。
「介護施設の環境ってどうなっているの?」「どんな人たちがいるの?」「自分は将来、ここで暮らせるのか?」といった疑問を目と肌で感じ取ることができますし、何より施設内にいる方々と直接交流することで自分が介護施設にお世話になる年代になった場合の生活をよりリアルにイメージできます。
そのほか、施設内の雰囲気や職員の方々との関わり方、高齢者同士の交流など、実際に体験してみないとわからないことばかりです。
いい部分もあれば改善すべき部分も見えてきて、「自分だったらこんな場所がいい」「こういう暮らし方をしたい」と自分自身の理想の老後が明確になっていきます。
また、地域によってはボランティア活動に対してポイント制度や特典が出ることも。たとえば、神戸市では市内在住の65歳以上の人が対象となる施設などでボランティアをすると、現金と交換可能なポイントがもらえる「KOBEシニア元気ポイント」という制度があります。
この制度を利用して1年間活動すると、最大で約1万円相当のポイントを手に入れることができるのです。社会に貢献しながらお金がもらえるうえに、自分の将来設計に役立つ情報収集もできる。なんとも有意義な制度だなと感じます。
ぜひ、ご自身の自治体でも同様の取り組みがないか、探してみてくださいね。
<文/女子SPA!編集部>
【女子SPA!編集部】
大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーはコチラ。X:@joshispa、Instagram:@joshispa