
2022年5月、Xユーザーのミキサーさん(@puyaya523)は、職場で不思議な鳴き声を耳にしました。声の出どころは、なんと会社の柱の中。
切り出してみると、中には生後3週間ほどの子猫が─。それが、現在3歳になった男の子猫「柱太郎(ちゅうたろう)」くんとの出会いでした。
「母猫や兄弟猫の姿は見当たらず、目やにもひどくて顔も汚れていましたが、とにかくかわいいと思いました。柱から出てきたので“柱太郎”と名付けました」
悲しい別れのあとに訪れたご縁
この出会いには、深い背景がありました。実はその2カ月前、先代猫のコタローちゃんが7歳で亡くなり、飼い主さんも、共に暮らしていた保護猫のナツちゃんも、深い喪失感の中にいたのです。
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そんな時に現れた、小さな命。飼い主さんは迷わず柱太郎くんを迎え入れました。
「ナツは突然現れた子猫にびっくりして、初対面ではシャーッと威嚇しました。でも、柱太郎はお構いなし。すぐに寄っていっていました」
当初は戸惑いも見られたナツちゃんですが、柱太郎くんのまっすぐな無邪気さに少しずつ心を許していきました。
「1週間くらいで慣れたと思います。ナツは押し入れや食器棚など、柱太郎が登れない場所に避難して息抜きしていました。夜の大運動会を覚悟していたのですが、柱太郎は夜になると電池が切れるようにおとなしく寝てくれて助かりました」
家庭に再び光をもたらした柱太郎くん
現在3歳になった柱太郎くんは、飼い主さんの言葉を借りれば、無口ながら陽キャで鋼メンタル。そして、とても食いしん坊な猫に成長しました。
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「ちょっとどんくさくて、動きが気忙しいんですけど、ほとんど声を発しない無口な子です。不安な時や、大好きなお刺身をもらえたときだけ、ヒョーッとウィスパーボイスで鳴きます」
また、柱太郎くんは人見知りをせず、来客にもフレンドリーに接するのだとか。
「インターホンが鳴ると我先に玄関に向かって、配送ドライバーさんになでなでしていただくこともあります」
柱太郎くんの存在は、家族にとってかけがえのない癒やしとなっています。
「この出会いは、先代のコタローが導いてくれたのだと思っています。本当に感謝しています」
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突然の出会いが、悲しみの中にいた家族に笑顔をもたらしました。柱の中から現れた小さな命は、今では大きな存在となって、毎日をにぎやかに彩ってくれています。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)