冷凍食品、買い物袋にどう詰める?冷凍庫に新聞紙?意外と知らない正しい“冷食”の取り扱い方

0

2025年07月25日 16:00  ORICON NEWS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ORICON NEWS

夏場の「冷凍食品」はどんなことに注意が必要?
 今や現代人の食生活に欠かせないものとなっている「冷凍食品」。お弁当おかずから食卓のメイン、デザートまで豊富に揃い、スーパーに行くと何かしらは購入するという人も少なくない。身近なものとあって、ついつい気が緩みがちだが、暑さが増すこれからの季節、おいしく安全に食べるには、購入時から持ち帰りの際、そして家庭でのストックまで注意が必要だ。冷食食品のエキスパート、日本冷凍食品協会に話を聞いた。

【動画】JA全農が伝授、新じゃがの冷凍保存術とは…?

■冷凍食品、美味しさ長持ちのコツは「いかに溶かさずに持ち帰るか」

 まず、夏の冷凍食品の買い出しには“保冷バッグ”が適切だ。手元に保冷バッグがない時は、店頭に用意されている保冷剤や保冷用氷を使うほか、「まとめ買い」も有効という。

「保冷剤や保冷用氷を使用する場合は、食品と食品の間に挟むのがベストです。ただし、冷たい空気は上から下に流れますので、1個は必ず食品の一番上に。1個しかない場合は『下ではなく上』に置いてください。また、複数個まとめ買いをすると、冷凍食品が互いに保冷し合うことで、多少は温度をキープする効果が期待できます」(日本冷凍食品協会 広報部長・三浦佳子さん/以下同)

 カチンコチンに凍って売られている冷凍食品。自宅まで持ち帰る間に多少溶けても問題なさそうに思うが、冷凍食品は店頭からいかに溶かさずに持ち帰るかが重要と三浦さんは念を押す。

「アイスを買うと、少しでも早く帰宅しようと思いますよね。同じように冷凍食品を持ち帰る時も、なるべく溶かさないことを意識していただきたいです。パッケージを触ってみて半解凍以上に溶けていると感じたら、冷凍庫に入れずその日のうちに加熱調理をして召し上がってください。冷凍食品の再冷凍は味や風味を損なう可能性があります」

 冷凍食品には「製造から販売までの全過程でマイナス18℃以下に保たれている」という条件がある。マイナス18℃以下では菌が増殖しないため、この厳格な温度管理ルールは冷凍食品の国際規格にもなっている。

「製造から販売までは、メーカーや物流会社、お店などが責任を持って温度管理を徹底します。しかし購入後の環境は、消費者の手に委ねられてしまいます。高度な冷凍技術と物流技術によって安全と品質を保持している冷凍食品も、溶けたらナマモノと同じように傷むこともありますので、夏場の買い出しは保冷バッグや保冷剤を利用していただくことを改めてお願いしたいですね」

■冷凍庫は隙間なく詰めつつも整理整頓が大切に

 長期ストックができるのも冷凍食品の利点だが、夏場は冷凍庫の扱い方に注意が必要になるという。

「未開封のままでマイナス18℃以下に冷凍されていれば、品質保持がされます。ただし家庭の冷凍庫は頻繁に開閉されるため、温度変化が起きやすい。一度開封した冷凍食品は、なるべく早く食べきるようにしてください」(日本冷凍食品協会 広報部長・三浦佳子さん/以下同)

 冷凍庫に隙間なく詰めることで、冷凍効率がよくなる(=凍った食品同士が保冷し合う)ことは広く認知されるようになったが、ここにも落とし穴があると指摘する。

「冷凍庫は1分開けると庫内の温度が約15℃上昇するというデータもあります。隙間なく詰めるのは正解なのですが、中身を探すのに手間取って、冷凍庫を開けている時間が長くなったら本末転倒です。サッと取り出せるように冷凍庫の中を整理すること、また開閉をなるべく素早くすることも冷凍食品を安全においしく食べるコツです」

 最近は家庭用の冷凍庫にも引き出しに蓋のついたタイプも登場している。

「シンプルな構造のようで、実はこの蓋がかなり温度の上昇を防いでくれるんです。もし蓋付きでなければ、100円ショップなどで売っている保冷シートを被せればある程度の効果が期待できます。もっと簡単な工夫としては、新聞紙を被せることです」

 冷凍食品の魅力は「採れたて、作りたて、1番おいしい状態の味を冷凍技術で閉じ込めること」だと三浦さん。その決め手となるのが徹底した温度管理だ。消費者も正しい温度管理をして冷凍食品を上手に食卓に取り入れたい。

(取材・文/児玉澄子)

    ランキングライフスタイル

    前日のランキングへ

    ニュース設定